JICA海外協力隊の世界日記

ボリビアのカルテ~看護師と助産師の南米生活~

カルテXⅢ 保育士さん向けFIRST AID講習会

¿Hola, cómo estás? (こんにちは、お元気ですか?)

本日は、保育士さん向けに実施したFirst Aid講習会の様子についてお伝えします。

Centro de infantil(児童センター)というカテゴリーに属している保育施設の保育士さん達に集まってもらい

心肺蘇生や出血時の対応はもちろん、子ども達に多いアクシデントや病気(やけど、転倒転落、発熱、下痢)の初期対応について、カウンターパートの同僚と共にお話させて頂きました。

スライドの準備や研修の企画・進行はカウンターパートが作成・実施してくれ、各項目に応じて、ボリビアではまだ浸透していない知識や技術、かならず抑えて欲しい観察項目や医療情報を補足していくのが私の仕事です。

写真1枚目は小児の心肺蘇生の練習をしているところです。

参加者の娘さんがモデルの協力をしてくれました。

5歳くらいの女の子なのですが、呼吸停止や心停止の演技が上手で、使用する機会の無いことが一番の心肺蘇生ですが、彼女のお陰で誰かの命が救われる日が来るかもしれないと思いました。

日本では、各学校や企業で講習会があったり、医療やレスキューの現場で働く職種はもちろん、教育現場で働く人たちは、定期的に練習をする機会がありますよね。また、自動車免許を取得する際に必ず習います。

しかし、ここボリビアでは、まだまだ心肺蘇生を学ぶ機会は乏しく、現在の日本ではあらゆるところで目にするAEDも病院以外の場所には置かれていないのが現状です。

2枚目の写真は、止血方法についての説明で、上腕を怪我した際にペットボトルを使用して止血する方法を紹介しているところです。

本来使用されるはずだった、南米のとある病院が作成したビデオでは、二の腕の内側の動脈を触知し、そこを的確に圧迫することで止血を促す方法が紹介されていました。

これは、正しい方法ですし、医療職にとっては複雑な技術ではありません。

しかし、子どもの腕から血が流れ続けている、子どもは泣き叫んでいる、周りの子ども達が騒いでいるかもしれない。

そんな状況で、初めて止血の処置をする保育士さんにとっては、決して簡単なことではないと思います。

血が苦手で、気が動転することもあるかもしれません。

そこで、ペットボトルを脇に挟んで止血するこの方法を紹介しました。

ペットボトルが無くても、ある程度の太さを硬さのあるものなら代用できます。

その他にも、自分でSOSを出せない乳児のSOSを見つける方法

脱水の徴候や転倒時の反応の違いによるリスクの見極め方など、普段、保育士さん達が見ている対象の年齢やバックグラウンドに応じて、お話をさせて頂きました。

学ぶ側の立場になって情報を選び、適切な形にアレンジして提供する。

本当に実用性のある方法なのか、医療者の当たり前が押し付けられていないか。

当たり前のようで忘れがちな、大切なことを改めて認識できた1日でした。

すぐに結果が見えなくてもいい。私の活動が、いつかどこかで誰かの健康を守ってくれますように。

Hasta luego. (またね)

文責:小野衣美

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