JICA海外協力隊の世界日記

ボリビアのカルテ~看護師と助産師の南米生活~

カルテXIV Boliviaの学校入学事情

¿Hola, cómo estás? (こんにちは、お元気ですか?)

本日は、Boliviaの小学校、中学校の入学手続きについてご紹介します。

1枚目の写真は、配属先の保育園、小学校の入学手続きの様子です。

Boliviaの新学期は、2月から始まりますので、入学手続きは1月に実施されます。

日本の公立小学校・中学校の場合、1年生の入学当初に諸々の説明会や手続きがありますが、一度入学すれば、特別な事情(転校など)が無い限り、卒業まで同じ学校で過ごすことが一般的ですよね?

私立の場合は、少し事情が異なる部分もあるのかもしれませんが、公立の学校と同様に一度入学したら卒業までというケースが一般的かと思います。

ここBoliviaは、少しばかり事情が異なります。

写真にも載せた入学手続き、学年が変わる毎に実施しなくてはなりません。

つまり、1年毎にその学校に在籍し続けるかを考えなければならないのです。

同じ学校に在籍し続ける子も少なくはないですが、私の配属先においては、昨年度、小学校1年生だった子ども達の半数が小学2年生から別の学校へ転校していきました。

その背景には、Boliviaの抱える様々な課題があります。

治安や交通機関の関係上、子どもが一人で登校することが非常に難しく、親が送迎をしなければならないため、転職の度に職場の近くへ学校を変える場合もあります。

経済状況の変化に伴い、より学費の安い学校へ変わることもあれば、その逆もあります。

日本は、私立・公立共に一定以上の教育水準が保たれていますが、ここBoliviaでは、各学校・教師陣の水準に大きな差があることも課題の一つです。

そのため、1年間通ってみて他の学校へ転校することもしばしば。

様々な事情があり、Boliviaでは、日本に比べ転向が珍しくありません。

入学手続きでの私の仕事は、アレルギーや基礎疾患、家族の状況など健康に関する事柄の問診と健康観察カードの準備です。

養護教諭という資格が存在しないボリビア。

私の配属先には、私と私のカウンターパート、2人の看護師が在籍していますが、これはとても珍しいことです。

私立の学校ですので、公立に比べて充実している部分の一つです。

以前のブログでも少し紹介しましたが、毎朝、登園時に健康観察と使用中の薬剤の確認を行っています。

また、家族の基礎疾患や地域特有の感染症(特にシャーガス病)の罹患状況を確認することで生活指導の参考にもしています。

近隣の保育園へは、子どもの傷病・受傷時の対応について研修も行っていますが、近隣の小学校、ボリビア全体へ子ども達の安全を守るシステムが広がっていってくれないかなと思う、今日この頃です。

Poco a poco(少しずつ)ですね♬

Hasta luego. (またね)

文責:小野衣美

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