JICA海外協力隊の世界日記

カメルーン男子の 今日の1ページ

日本と違うカメルーンの「英語」

メイエガ!エゼカからでまちです。

私の活動の大部分を占めるもの、それは『英語教育』です。

日本でも英語教員として授業をしてきたので、英語を教えることに決まった際、抵抗はありませんでしたが、当初は正直不思議な気持ちになりました。なぜなら、ここカメルーンは英語が公用語だからです。

「英語が公用語に指定されている国で、ノンネイティブの自分が英語を教えることができるのか?」

しかしながら、カメルーンでは昔から英語を使ってきたわけではありません。植民地時代を経て、ヨーロッパの影響を受け、多様な現地語をもつ民族を国としてまとめるために、フランス語と共に公用語に指定された経緯があります。なので、順序としては民族の言葉が母国語(第一言語)になります。

また、カメルーンは10の州があり、内8つがフランス語を中心に、2つが英語を中心に使っています。エゼカがある中央州はフランス語圏のため、第二言語がフランス語、第三言語が英語、という順になります。そう考えると、英語の指導が必要になる理由も見えてきました。そうして始まった活動でしたが、やればやるほど日本で教えていた「英語」との違いが見えてきました。

①先生の呼び方

男性は”sir”, 女性は”madam”と呼びます。サー、は英語圏の各国で使われているもので、名前を付けずただ「先生!」と呼びたいときに使います。名前を足して呼ぶ場合は”Mr.”なので、ここは日本と同じですね。一方、女性の方のマダム、という呼び方はフランス語圏の呼び方をそのまま使っています。

②生徒の呼び方

“pupil”と呼びます。日本では”student”が一般的ですね。辞書によると、イギリスでよく使われるのが”pupil”とあり、ヨーロッパの影響を受けていることがわかります。写真の教科書にも”pupil”と印字されています。先生たちもイギリス英語の発音をすることが多く、逆に私の発音はアメリカンだ、とよく指摘を受けています。

③短縮形をあまり使わない

“can’t”よりも”cannot”, “I’m”よりも”I am”…。知識として短縮形は学びますが(写真の板書はその一例です)、子どもたちも先生もあまり使いません。ライティングでもスピーキングでも、短縮せずに使い、リーディングの文章も意図的に短縮形を避けているように感じます。一方フランス語はJ’ai (I have) など、短縮形を使う場面が多いです。こういう面でフランス語との違いを出しているのでしょうか…。

自分の知らなかった世界で「英語」を教えること。自分が学んだ、教えていた「英語」との違いに日々四苦八苦する一方、国によって微妙に異なる英語のニュアンスがとても興味深いなと思いながら活動してきました。言語は絶対的な決まり、答えがあるわけではない。あくまでもコミュニケーションツールなのだから、その場に合うように変えてもいい。そんなことをより深く感じました。

それでは、また次のページで。

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