JICA海外協力隊の世界日記

カメルーン男子の 今日の1ページ

DELF B1合格への仏語学習法と対策

Bonjour à tous! 皆さんこんにちは。JICA海外協力隊でカメルーンに赴任している美淋です。

カメルーンの公用語は仏語と英語ですが、活動には仏語が欠かせません。

私はカメルーン派遣前の訓練が始まった2022年4月より0から仏語学習を開始し、2022年6月の試験で仏検3級、2022年12月の試験でDELF B1、2023年4月の試験でDELF B2に合格することができました。DELFに関しては仏語圏アフリカであるカメルーンでの受験です。今回は私が個人的にコスパ・タイパが良いと思ったB1対策方法や仏語学習法を以下に綴りたいと思います。

  • ・仏語学習をある程度始めているが語学学校に通うお金や時間がない。
  • ・受験したいが対策や学習法が確立できていない。

という方々に向けて、少しでも参考になれば幸いです。

  1. DELF B1の基本情報
  2. 使用した対策用テキスト
  3. B1の試験対策(読解CE,聴解CO,論述PE,口述PO)
  4. カメルーンでの受験当日
  5. B1合格を経て

1. DELF B1の基本情報


(画像引用元:日本フランス語試験管理センター,DELF B1とは?(最終閲覧日2023年8月1日) DELF B1 )

是非まずは公式ホームページを確認してみましょう。過去問題や試験でのポイントが記載されています。そして可能であれば早速例題を解いてみましょう。

自分のフランス語能力の現在地を知ることは試験対策の上で非常に重要なことです。

またDELF/DALFは100点中50点で合格であり、各項目25点の内、必要な最低得点は5点となっています。まずは例題を解くことで、自分の得意不得意を確認できます。(私は聴解Compréhension oraleが苦手で捨て科目でした...何とか伸ばしたいです...)

2. 使用した対策テキスト


左から順に、使用した以下のテキストの用途を説明いたします。

  1. Le DELF 100% Réussite, Hamza Djimli, Nicolas Frappe, Magosha Fréquelin, Marie Gouelleu, Marina Jung, Nicolas Moreau, 26/05/2021.
  2. Réussir le DELF B1, Gilles Breton, Sylvie Lepage, Marie Rousse, didier, 14/09/2010.
  3. これならわかるフランス語文法-入門から上級まで-、六鹿豊、森永公紀、NHK出版、2016年11月25日。

1,2はDELF試験対策用のテキストになっています。読解CE、聴解CO、論述PE、口述POの4技能それぞれの練習問題や過去問題が記載されています。どちらも聴解COではフランス語でスクリプトが解答欄に記載されており、シャドーイングなどの練習にも使用することができます。

2020年以降、DELF/DALFの試験問題(読解CE,聴解CO)は漸次的に選択式に移行するとのことですが、2022年12月、2023年4月の試験においても多少の記述式問題がありました。そのため、2のテキストは2010年出版であるため内容が古いものの、記述式の練習問題がある点が良いと思われます。

ただ、1のテキストは読解CE、聴解COの練習問題では選択式のものしかないものの近年の問題の傾向に対応しており、分野も幅広いものとなっています。また、知人のフランス語教師の方もこちらをお勧めしていました。

もしどちらか一冊のみ購入するならば私は1のテキストを選択しますが、念を入れたい、必ず合格したい、という方には2もお勧めです。

是非サンプルを確認してみては如何でしょうか。

  1. Le DELF 100% Réussite, Hamza Djimli, Nicolas Frappe, Magosha Fréquelin, Marie Gouelleu, Marina Jung, Nicolas Moreau, 26/05/2021.
  2. Réussir le DELF B1, Gilles Breton, Sylvie Lepage, Marie Rousse, didier, 14/09/2010.

3.のテキストに関しては、入門から中級以降へのフランス語文法の参考書としてお勧めします。私はフランス語を0から学習し始めるとなった2022年4月には、これから始めるフランス語入門 という書籍を選びましたが、DELF B1以降は仏語「を」理解するというより仏語「で」理解することが前提となるので、基礎文法を押さえ今後も仏語学習を継続する方には必読書と言っても過言ではありません。

3. DELF B1の試験対策と仏語学習法


3-1. 日常の独学

  1. "1jour1actu" の動画リスニング、シャドーイング、単語確認、暗唱
  2. "RFI-journal en français facile-" リスニング、シャドーイング、単語確認
  3. "Le Monde" 記事の速読、精読、単語確認
  4. 仏語日記

1.まず"1jour1actu"は、子ども向けのフランス語ニュースサイトとなっており、1日2分弱程度のニュース動画が閲覧できます。単語も比較的簡単なため語彙を強化しながら、聴解・読解の能力を向上させることが可能です。

また、私は個人的にはフランス語は発音が日本人にとって難しい面もあるため、暗唱ができるようになるまでシャドーイングを繰り返すことでフランス語ならではのイントネーションや間を真似出来るのではないかと思います。

勿論、DELFの口述試験ではそのような発音やイントネーションもポイントに入るため、入門の頃から意識して取り組むことが重要ではないでしょうか。

2.次に"RFI-journal en français facile-"は1日10分で世界中のニュースを取り上げてくれています。"1jour1actu"で基礎を拾いながら、"RFI"で更なる語彙強化、聴解・読解能力向上に繋げることが可能です。

こちらのサイトは環境問題や時事問題について10分で3-4トピックについて言及されています。実際に対策用テキストや過去問題でもRFIから引用されていることもあり、DELFの傾向に沿った内容に触れることができます。

また1,2どちらも再生速度を調整できるため、シャドーイングの際にゆっくりはっきりとした発音から始めることも可能ですし、どちらもスクリプトが入っているため、単語の確認も容易です。

3."Le Monde"は仏語新聞です。語彙は1jour1actuやRFIと比べるとやや難解ではありますが、B1、B2に進むにつれて必須単語量が膨大なものになります。接続法や条件法も頻出しているため、良い読解練習になること間違いなしでしょう。

これらニュースサイトの利用でフランス的論理展開も学べるため、DELF/DALFにおける読解、聴解、論述、口述試験に自然に対策できるでしょう。

加えて、私は初めてみた用例や単語などについては確認しノートにメモしました。学習が終わった当日の就寝前や翌日の朝一に、そのメモした内容を復習することも語彙力増強の一例です。

4.2022年4月からフランス語学習を開始して、現在まで唯一毎日続けていることです。1-3で学んだ単語や用例、文法事項などを用いて書くと更に学習効果が高まると思います。シャドーイングや暗唱に加えて貴重なアウトプットの機会なので、少しでも良いので毎日継続することが良いと感じています。

何かを始めるのに遅すぎることはない ーサン・テグジュペリー


3-2.B1の試験対策

私は試験用の対策勉強は2ヶ月ほど前から開始しました。以下4技能に分けて対策法を記載します。

1.読解(Compréhension écrit)について

・"Le Monde"の速読・精読と対策用テキストの反復練習

"Le Monde"(仏語新聞)と"Le DELF 100% Réussite""Réussir le DELF B1"(対策問題集)に関して、より"速"読を意識して取り組みました。問題集に関しては時間を計測して、実際の試験時間の感覚で取り組めるように練習していました。解いて間違った箇所を修正するだけでなく、勿論わからなかった単語や用例を振り返ることも重要でした。

2.聴解(Compréhension orale)について

・"1jour1actu""RFI"のリスニングと対策用テキストの反復演習

"1jour1actu"は1.25倍、"RFI"は1.1倍の速度に調整してリスニングするなど、「早く読まれるフランス語を一度で聞き取る」ことを意識して演習に取り組んでいました。学習開始から半年強でDELFB1の取得を目指した私にとって聴解は鬼門でしたが、捨て科目になると感じつつも、毎日取り組むことが重要だと考え継続していました。

3.論述,文章作成(Production écrite)について

・Youtube視聴、対策テキスト・サイトによる"型"の作成と筆記演習

Youtubeにて"Production écrite DELF B1"などと検索すると論述する際に必要な論理構成や接続表現について纏めてくれている方がたくさんおり、また日本語でも文例を紹介してくれているサイトが多々あります。そうして自分なりの"型"を考案し、対策テキストで"時間を計って"演習しましょう。45分で160語の論述は、練習量があって良かったと感じました。人によってはフランス語話者であるカメルーン人でも筆が進んでいない人もいました。

4.口述,口頭表現(Production orale)について

・Youtube視聴、対策テキストによる"型"の作成と独り言演習

3と同様にYoutubeにて"Production orale DELF B1"と検索すると、簡単な自己紹介、ロープレ、テキストへの見解発表の方法について纏めてくれている方が沢山いらっしゃいます。それに基づいて自分なりにテキストを作成し、独り言演習をしていました。これでも8割(21点)を獲得できましたが、オンライン語学スクールなどを活用して演習してもらう方法で取り組めばより精度が高まる気もしました。

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4.カメルーンでの受験当日


田舎町であるナンガ・エボコから首都まではバスを使って、途中で人や荷物の乗降や乗換を経て4時間程度で到着することができます。上の写真のようなバンに横4人席用に5-6人が所狭しと乗り込み、20人ほどが最早一つの塊の様相を為して出発するのです。

勿論、到着後には大量の発汗に加え、身体の節々の痛みや疲労を感じざるを得ません。そのため前泊して試験に臨みます。尚、カメルーンでは正確な試験日は一週間ほど前にメールで通知されますが、メールが来ない場合もあるので自ら問い合わせることも肝要です。

受付を済ませ、エアコンや窓の無い灼熱のサウナ?蒸し風呂?のような小部屋で、40分遅れで試験が午前に開始されました。聴解CO、読解CE、論述POの試験が休憩なしで連続で実施されました。試験官は入退出を繰り返したり、スマホを触っていたり、時間を把握していなかったりと日本では考えられないような試験形式でしたが、無事に終了できました。

尚、ボールペンでの解答が必須ではありますので、その形式で練習しておくべきだったと感じました。(恥ずかしながら間違った箇所を修正したことで汚くなってしまった箇所がいくつもありました...)

また、Convocationには11時から口述PO試験とあったので終わってから昼食をとろうと考えていましたが、始まったのは2時間遅れで、テキストへの見解発表の項目はさらに30分後に実施され終了したのが14時過ぎでした。間違いなく軽食などを持ってきておくべきだったと思います...空腹と脳の糖質不足で死ぬかと思いました...

5.B1合格を経て


私は個人的に、好きな仏語学習を続けていたはずが、"試験のため"の仏語学習になっていると感じた際にしんどいなぁと感じたことも多々ありました。しかし、苦手分野が見えてくる、自分の伸びが可視化される、合格すればある種の達成感を得られることで、なんとか試験対策学習を乗り越えられました。結果は81.5/100点。予想を上回る高得点で嬉しかったです。苦手だったリスニングも対策学習で伸びた部分もあり、何より語彙が増えたことで表現力が高まったと思います。

仏語学習 DELFB1取得に向けて、個人的なまとめ

・普段の勉強では好きな範囲で少しでもいいので毎日続ける。(私の場合、ニュースサイトや仏語日記)

・対策では過去問で自分の位置を把握してから、テキストやYoutubeを活用して時間を計って演習を重ねる。

ここまでの駄文にお付き合いくださりありがとうございました。仏語学習者の皆様の少しでも助けになれば幸いです。

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