2023/11/15 Wed
DELF 文化 生活 語学
DELF B2 合格への仏語学習法と対策
Bonjour à tous! 皆様こんにちは。JICA海外協力隊でカメルーンに赴任している美淋です。
前回の記事 (DELF B1合格への仏語学習法と対策) が好評だった為、内容が重複するところがあるかもしれませんがDELF B2についても執筆できればと思います。
私は2022年4月より0から仏語学習を開始し、2022年6月の試験で仏検3級、2022年12月の試験でDELF B1、2023年4月の試験でDELF B2になんとか合格しました。つまり学習開始から1年程でB2程度の基準に達することができました。
その為、今回はその過程で個人的にコスパ・タイパが良いと思ったB2対策方法や仏語学習法を厳選してご紹介いたします。
- 仏語学習の基礎程度まで終えているものの、伸びを感じられない。
- 受験したい気持ちはあるが、独学での対策や学習法が確立できていない。
という方々に向けて、少しでも参考になれば幸いです。
- DELF B2の基本情報
- 使用した対策用テキスト
- B2の試験対策(読解CE,聴解CO,論述PE,口述PO)
- カメルーンでの受験
- B2合格を経て
1. DELF B2の基本情報
(画像引用元:日本フランス語試験管理センター,DELF B2とは?(最終閲覧日2023年8月1日) DELF B2 )
是非まずは 公式ホームページ を確認してみましょう。過去問題や試験でのポイントが記載されています。そして可能であれば早速 例題 を解いてみましょう。
自分の仏語力の現在地を知ることは試験対策の上で非常に重要なことです。
またDELF/DALFは100点中50点で合格であり、各項目25点の内、必要な最低得点は5点となっています。まずは 例題 を解くことで、自分の得意不得意を確認できます。(私はB1受験の際から聴解Compréhension de l'oralが苦手でした...)
ポジティブに捉えると、半分だけ取れば良く、最低得点も5点と低いため捨て科目があっても良いということでハードルは低く感じますね!
2. 使用した対策テキスト
左から順に、使用した以下のテキストの用途を説明いたします。
- Le DELF B2 100% Réussite, Hamza Djimli,Nicolas Frappe,Magosha Fréquelin,Marie Gouelleu,Marina Jung et Nicolas Moreau, Didier, 02/02/2022
- これならわかるフランス語文法-入門から上級まで-、六鹿豊、森永公紀、NHK出版、2016年11月25日。
1. はDELF試験対策用のテキストになっています。読解CE、聴解CO、論述PE、口述POの4技能それぞれの練習問題や過去問題が記載されています。また、聴解COではフランス語でスクリプトが解答欄に記載されており、シャドーイングなどの練習にも使用することができます。
2020年以降DELF/DALFの試験問題(読解CE,聴解CO)は漸次的に選択式に移行するとのことですが、注意点として2022年12月や2023年4月の試験においても多少の記述式問題がありました。
このテキストは読解CE、聴解COの練習問題では選択式のものしかないものの近年の問題の傾向に対応しており、分野も幅広いものとなっています。また、知人のフランス語教師の方もこちらをお勧めしていました。
是非サンプルを確認してみては如何でしょうか。PDFでの購入も可能なようです。
2. のテキストに関しては、初級から中級からは勿論、上級へのフランス語文法の参考書としてもお勧めします。仏語を0から学習し始める時は初級以前の入門書として これから始めるフランス語入門 という書籍を選びましたが、基礎文法を習得し、復習用・発展用としても今後も仏語学習を継続する方には必読書と言っても過言ではありません。
3. DELF B2の試験対策と仏語学習法
3-1. 日常の独学(個人的上達度最大★★★★★)
- "1jour1actu" の動画リスニング、シャドーイング、単語確認、暗唱(★★☆☆☆)
- "RFI-journal en français facile-" リスニング、シャドーイング、単語確認(★★★★☆)
- "Le Monde" 記事の速読、精読、単語確認(★★★★☆)
- 仏語独話、会話(★★★★★)
- 仏語日記(★★☆☆☆)
1. まず "1jour1actu" は、子ども向けの仏語ニュースサイトとなっており、1日2分弱程度のニュース動画が閲覧できます。単語も簡単なため語彙を強化しながら、聴解・読解の能力を向上させることが可能です。B2対策レベルでは物足りない感じもしますが、勉強が億劫だなという時に1分だけでもこれに取り組むと気分転換になったり、もう少し頑張ろうという気持ちになれます...笑
また、私は個人的にはフランス語は発音が日本人にとって難しい面もあるため、暗唱ができるようになるまでシャドーイングを繰り返すことでフランス語ならではの抑揚や間を真似出来るのではないかと思います。
DELF B2の口述試験では20分の面接があります。勿論、発音やイントネーションも大きなポイントとなり、改めて見直すことも重要です。
2. 次に "RFI-journal en français facile-" は1日10分で世界中のニュースを取り上げてくれています。更なる語彙強化、聴解・読解能力向上に繋げることが可能です。
こちらは環境問題や時事問題について10分で3-4トピックについて言及されています。実際に対策用テキストや過去問題でもRFIから引用されていることもあり、DELFの傾向に沿った内容に触れることが可能です。
1,2どちらも再生速度を調整できるのでシャドーイングの際にゆっくりはっきりとした発音から始めることも可能ですし、どちらもスクリプトが入っているため単語の確認も容易です。
3. "Le Monde" は仏語新聞です。語彙はRFIと比べるとやや難解ではありますが、B1からB2に進むにつれても必須単語量が膨大なものになります。接続法や条件法も頻出しているため良い読解練習になることは明白でしょう。
これらニュースサイトの利用でフランス的論理展開も学べるため、DELF/DALFにおける読解、聴解、論述、口述試験に自然に対策できるでしょう。加えて、初めてみた用例や単語などについては確認しノートにメモし、学習が終わった当日の就寝前や翌日の朝一にそのメモした内容を復習することも語彙力増強の一例です。
4. 1や2で暗唱、シャドーイング、3で読解した内容について独り言を言い続けるといった項目です。B2の口述PO試験では、面接20分(プレゼン10分強、討論10分弱)があるので仏語でやり取りを流暢に行うことが必須となります。その為、時には頭の中で一人二役と言ったような形であるテーマについて独り言で討論をしてみたり、単に生活している中で常に仏語で独り言を話し続けていました。そうすると次第に頭が益々フランス語脳になっていくことが実感できたのが大きいポイントです。
個人的にB1レベルの受験時から仏語の夢を見ていることは時々ありましたが、この学習を始めてから更に頻繁に仏語の夢を見る機会が増えました。
5. 2022年4月からフランス語学習を開始して、現在まで唯一毎日続けていることです。1-3で学んだ単語や用例、文法事項などを用いて書くと更に学習効果が高まると思います。シャドーイングや暗唱、独話や会話に加えて貴重なアウトプットの機会なので、少しでも良いので毎日継続することが良いと感じています。
3-2. B2の試験対策
私は試験用の対策勉強は1ヶ月ほど前から開始しました(2-3ヶ月前からすれば良かったと後悔)。以下4技能に分けて対策法を記載します。
1. 読解(Compréhension écrite)について
・"Le Monde"の速読・精読と対策用テキストの反復練習
"Le Monde"(仏語新聞)と"Le DELF 100% Réussite""Réussir le DELF B1"(対策問題集)に関して、より"速"読を意識して取り組みました。問題集に関しては時間を計測して、実際の試験時間の感覚で取り組めるように練習していました。解いて間違った箇所を修正するだけでなく、勿論わからなかった単語や用例を振り返ることも重要でした。
2. 聴解(Compréhension orale)について
・"RFI"のリスニングと対策用テキストの反復演習
"RFI"は1.1,1.25倍の速度に調整してリスニングするなど、「早く読まれるフランス語を一度で聞き取る」ことを意識して演習に取り組んでいました。また、試験問題はサンプル通りネイティブレベルの速さで読まれるので、毎日取り組んで習慣化することが重要だと考え継続していました。
3. 論述,文章作成(Production écrite)について:60分250語以上
・Youtube視聴、評価基準の確認、対策テキスト・サイトによる"型"の作成と筆記演習
Youtubeにて "Production écrite DELF B2" などと検索すると論述する際に必要な論理構成や接続表現について纏めてくれています。そうして自分なりの"型"を考案し、対策テキストで"時間を計って"演習しましょう。「市長への手紙」などある程度テーマは傾向があります。60分で250語の論述は、練習量と対策が非常に効果覿面でした。また、自ら書いたものを GRILLE D’ÉVALUATION と照らし合わせて確認する作業も重要ではないでしょうか。
自分の練習不足もあったかもしれませんが、最初の10分で構成を考え45分で記述、5分で見直しをしようとしていたところ、結局最後の1秒まで書き殴っていました。時間が本当に足りません。仏語話者である現地のカメルーン人でも筆が進んでいない人も多々いました。
4. 口述,口頭表現(Production orale)について:20分面接(12分程プレゼン、8分程討論)
・Youtube視聴、評価基準確認、対策テキストによる"型"の作成とオンラインスクール(30分500円程度)の活用
3と同様にYoutubeにて"Production orale DELF B2"と検索すると、プレゼンや討論の方法について纏めてくれている方が沢山いらっしゃいます。それに基づいて自分なりにテキストを作成し、先述したように独り言演習をしていました。また論述PE対策と同様、GRILLE D’ÉVALUATION を少なくとも1回は確認しましょう。
しかしながら、それだけだと個人的には不足していると感じ、1ヶ月間10回程のオンラインスクールを活用して講師の方にB2の対策をお願いして口述PO対策を繰り返していました。試験1ヶ月直前のみでしたが利用して良かったと感じています。特にプレゼンだけではなく討論の練習をできたところがやはり良かったと感じています。個別にオンラインスクールを紹介するのは差し控えますが無料体験等も実施しているところもあり、その際にもB2の口述PO試験対策を厚かましくもお願いして有効活用することができました。現在、私はカメルーンでも電気にアクセスすることが難しい地域在住なので、PCの充電が不足し利用は困難を極めましたが、いつも暗い部屋から授業に参加し先生に笑われつつも楽しく取り組めました。
4. カメルーンでの受験
カメルーンでは年に5回程度受験することが可能です。B2の料金は35,000fcfa、なんと日本円で8,500円程です。日本で受験するより約10,000円浮くことは有難いですね。ただ、ある程度の実施期間は決まっているものの正確な受験日は数日前に決まります。更に今回、私には通知が来ずたまたま知人も受験予定であったことから受験日を直前にようやく知ることができました。そんなヒューマンエラーも、これぞカメルーンと楽しく乗り越えながら当日参加しました。
B1受験時は聴解COの際に一人一つイヤホンをつけて行いましたが、今回は大部屋で40人程でスピーカーで実施されました。音質が非常にこもっており、現地のカメルーン人受験生たちが文句を言いながら受験をしていたことが印象的でした。
5. B2合格を経て
口述PO試験で12分程度のプレゼンが必要なところ9分程で終わってしまい、その後の討論に臨んでしまったので落ちたかもしれないと危機感がありましたが何とか合格することができました。
今回の試験でも、苦手分野が見えてくる、自分の伸びが可視化される、合格すればある種の達成感を得られることでなんとか試験対策学習を乗り越えられました。結果は55.0/100点。苦手分野の聴解はやはり未熟だと改めて認識し、今後も少しずつ継続できればと思います。
仏語学習 DELFB2 取得に向けて、個人的なまとめ
・普段の勉強では毎日1分でも継続する。いろんな方法を模索しながらも、伸びを実感するもの、興味が湧くものに注力!(私の場合は作業時の仏語ラジオ、仏語独話、仏語日記等)
・対策では過去問で自分の位置を把握してから、評価基準を確認して、普段の学習に加えてテキストやYoutubeを活用して時間を計って演習を重ねる。足りなければオンライン講座を検討する。
仏語学習者の皆様に少しでも助力出来ていれば幸いです。ここまでの駄文にお付き合いくださり今回もありがとうございました。Merci à vous.
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