2024/03/11 Mon
文化
わたしたちの公用語と母国語
メイエガ!エゼカからでまちです。
突然ですが、日本の公用語はなんでしょうか。・・・日本語ですよね。では、日本人の母国語はなんでしょうか。・・・日本語ですよね。関西弁や長崎弁、飛騨弁のような方言もありますが、コミュニケーションがとれないほど何を言っているか分からない、ということはないはずです。
一方、カメルーンはそうではありません。公用語と母国語は異なり、それぞれの言語でコミュニケーションをとるには不可能なほど全く異なる言語になっています。そのため、カメルーン人は自分の言語をとても大事にしています。ということで、今回のあいさつはここエゼカの部族語、バサー語で挨拶してみました。
今回は、そんなカメルーンで2月に行われた言語に関するイベントについて紹介します。
2月の第一金曜は『バイリンガルデー』です。カメルーンは公用語がフランス語と英語、2か国語を定めている国です。全10州のうち、8州がフランス語を、2州が英語をメインで使っています。そのため、2か国語表記されることが多く、学校もフランス語を主言語とする学校と、英語を主言語とする学校があります。
このバイリンガルデー期間は、互いの学校が普段主言語として使わない方の言語を中心に使って、劇をしたり歌を歌ったりして、発表をします。つたない点もありつつも、それぞれの学校が互いの言語を使って考えや思いを表現する機会は素晴らしいと思います。
また、2月21日は『国際母語デー』です。私たちの生まれた時に身につけた言語を大事にしよう、と呼びかける日として、カメルーンだけでなく国際的に定められています。アフリカには民族の数だけそれぞれの部族語があるといわれており、250近い民族が生活するカメルーンでも、数多くの部族語があります。しかし、それぞれの部族語は日本語のように共通点があるわけではなく、コミュニケーションをとることは難しく、例えば首都に引っ越して生活すると、部族語を使う機会はほぼなく、公用語中心で生活しています。
この日は、そんな自分たちのルーツともいえる言語を大事にしようと、部族語で劇や歌を披露する会がありました。バイリンガルデーのように地域の学校が集結することはありませんでしたが、自分たちのルーツである言語を使って、ICT教育やキャッシュレスの買い物など、現代のデジタル化について紹介する様子は、とても興味深かったです。
最後に、それぞれの会で印象的だったコメントを紹介します。
「言語が違うことは当たり前で、違いがあるのはみんな同じこと。だから分かり合える。」
「現地語は伝統であり、過去とのつながりだ。」
多くの言語を使うカメルーンが、いかに自分たちの言語を大事にしているかが分かる機会でした。私自身も、カメルーンにいるからこそ、自分のルーツである日本語を大事にしたいと改めて感じました。カメルーンの人々は、そんな私の母国語を積極的に知ろうとしてくれます。本当は国際母語デーの時に、日本語の発表もしてもらいたかったようです。この日以降、日本の国歌独唱をする機会が増えています。せっかくの機会なので、どんどん紹介していこうと思います。
それでは、また次のページで。
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