2019/11/15 Fri
活動
【活動】ソロモン諸島での人工造林
今回はソロモン諸島での人工造林について紹介します。
<どれくらい人工造林しているの?>
ソロモン諸島の森林率(国土面積に対する森林の割合)は約78%でして、国土の多くは森林に覆われています。
このうち、約9割以上は天然林とされており、ある報告書では約98.7%と記述がありますので、人工林の割合はごくごく少数だとわかります。
しかしながら、これまでに外国企業による森林伐採(ロギング)が強度に行われてきた経緯もあり、住民側も少なからず植林を進めてきたほか、2000年代以降を中心に政府が積極的な人工造林政策に取り組んできた経緯もあり、コミュニティに近接する比較的アクセスしやすい「里山」周辺部には小規模な人工造林地を見ることができます。
その中には、間伐や枝打ちなどの適切な保育管理が行われていない森林も見受けられますが、すでに伐期(森林伐採の適期)が到来してる森林も多々あり、現金収入確保の可能性が高まってきています。
<ソロモン3大造林木>
①チーク(Teak "Tectona grandis")
②マホガニー(Mahogany "Swietenia macrophylla")
③ユーカリ(Deglupta "Eucalyptus deglupta")
以上の3つの樹種です。詳細はまた次回に!!
<3つの特徴>
私が思うところ、日本と比べた場合の大きな特徴は以下の3点です。
①生長の早さ
めちゃめちゃ早い!!伐期は概ね林齢20~35年生に設定されてますが、適切な管理がなされていれば林齢10年生前後でも胸高直径30cmを超え、製材加工可能な状態となります。
②植栽密度
3大造林木の植栽密度はなんと500~833本/ha!!日本では地域差や樹種の違いなどによるものの、従来からの平均的な植栽密度は3,000本/ha、低密度植栽が提唱されるようになった昨今でも1,000~2,000本/ha程度で取り組まれている状況と比較すると、いかに疎植なのか(密度が低いか)わかりますよね。
生長が早いゆえに、下草刈りの手間もいらず「植栽密度≒収穫時の立木密度」となる場合もあります。
③高級感(ユーカリは比較的安価ですが…)
「世界三大銘木」をご存じですか?このうちの2つは「チーク」と「マホガニー」と呼ばれています。収穫時に高値で販売することができる樹種、それでいて生長が早い樹種がソロモン諸島では人工造林木として主に扱われているのですね。
※なお、世界三大銘木のうち、残る一つは「ブラックウォルナット」と呼ばれており、こちらは北米を中心に見られるようです。
以上の3点に触れながら、次回以降のブログで主要造林木となる3つの樹種について紹介していきますね。
<写真の説明>
【写真①】製材加工直後の『チーク』
世界各国で高級木材として取引される!!
【写真②】『マホガニー』の人工造林地
植栽密度が500~625本/haと超疎植!!
【写真③】植栽後たった10年後の『ユーカリ』
なんだこのカラフルすぎる樹皮の色は!!
別名「レインボーツリー」と呼ばれる所以です!!
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