2019/11/19 Tue
活動
【活動】驚きの造林木①(チーク)
今回はソロモン諸島で代表的な造林木「①チーク」を紹介します。
<概要>
①チーク Teak "Tectona grandis"
・伐 期:林齢25~35年生
・植栽密度:833本/ha(植栽間隔4m×3m)
・材の用途:内装材、高級家具材、床材ほか
・産 地:インドネシア、マレーシア、タイ、ミャンマーほか
東南アジアのほか世界の熱帯各地で造林されている
<種苗生産・育林>
・種子は、ウェスタン州コロンバンガラ島の母樹から採種します。
・発芽後、実生苗を別な苗床へ移植して、数か月間生育させます。
・樹高約1.5mの幼木になった時点で地面から抜き取り、地上部5cmと地下部20cmだけを残して茎と根のすべてを切り落とします。こうして残った部分を「スタンプ(stump:根っこ、基部のこと)」と呼び、山行き苗として扱います。通常の苗木のようにビニールポットも使いませんし、150cc~300cc程度の土も含まれていないわけですから、とにかく軽くて持ち運びが便利です。
・一旦生育させた幼木を切り落した「スタンプ」を苗木として扱うということは、チークの萌芽力の強さを示しているようですね。森林内でチークが伐採された現場を訪れると、伐採後数週間を経たチークの伐根からは新しいシュート(芽)が何本もぐんぐん生長していく様子を垣間見ることができます。日本の里山でいうところのコナラやクヌギなどの薪炭林を見ているかのようです。
・植栽密度833本/ha(植栽間隔4m×3m)で植栽した後、樹冠が重なる頃に第1回間伐を行い立木密度を400本/haに減らします。その後、状況を見て最後の間伐を実施すると、伐期の立木密度は200本/haとなります。
・実際には、第1回間伐を実施する時点で、胸高直径30cmを超えている場合もあるので、保育管理を目的とした「下層間伐(low thinning:劣勢木や欠点のある木を伐採する一般的な間伐)」ではなく、「上層間伐(crown thinning:優勢木を伐採することで木材収入を得るための間伐)」も行われ、収穫可能な立木を伐採して早期に収入を得るという方法が取られることもあります。
この背景には、下層間伐(一般的な保育間伐)は切り捨てるだけで財産収入が得られないことから、住民が「保育間伐の必要性」をなかなか理解してくれない現状があります。最終的な「主伐」のためにはどうして「間伐」という行為が必要となるのか、住民に対して普及啓発していく必要がありそうですね。
それにしても、林齢10年生で胸高直径30cmを超えているだなんて…日本林業の常識で考えると度肝を抜かれてしまいますねぇ…続く、②マホガニーと③ユーカリプタスについても同様の特性があります。
<チークの特徴>
何といっても「高級木材」であることがポイントです!!
「世界三大銘木」の一つであり、木材は世界各国で取り引きされます。
ソロモン諸島国内では、2000年代以降に「チーク造林ブーム」と呼ばれる、政府による積極的な人工造林政策が行われた経緯もあり、主要道路沿いにチークの小規模な人工造林地が並ぶ様子を見ることができます。
チーク造林ブームから約10~20年を経過する昨今においては、適切な保育管理とともに、本格的な主伐(収穫)の時期も迎えているのです!!
<写真の説明>
【写真①】チークの種子
ムンダ事務所が拠点となり、国内各地へ供給する(無料配布)
【写真②】チークの幼木
発芽後に植え替えて、樹高約1.5mの幼木になるまで生育させる
【写真③】チークのスタンプ(根っこ、基部)
幼木の両端部を切り捨てて作成、これが苗木代わりとなる
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