JICA海外協力隊の世界日記

青森県庁林業職員の元気もりもり『森×森』活動記!!

【活動】驚きの造林木③(ユーカリ)

 今回はソロモン諸島で代表的な造林木「③ユーカリ」を紹介します。

<概要>
 ③ユーカリプタス Eucalyptus "Eucalyptus deglupta"
 ・伐  期:林齢12~20年生
 ・植栽密度:800本/ha(植栽間隔5m×2.5m)
 ・材の用途:建築用材、家具材、パルプ、燃料材ほか
 ・産  地:オーストラリア、東南アジア、パプアニューギニアほか
       世界各国で造林されている

<種苗生産・育林>
 ・種子は、ウェスタン州コロンバンガラ島の母樹から採種します。
 ・発芽後、実生苗をビニールポットに移しかえて生長させることで苗木を作ります。
 ・植栽密度800本/ha(植栽間隔5m×2.5m)で植栽した後、樹冠が重なる頃には第1回間伐を行い立木密度を400本/haまで減らします。その後、枝同士がぶつかる程度まで生長してきたら、第2回間伐を行い立木密度を200本/haまで減らします。伐期が到来する頃には胸高直径約60cmになります。

<ユーカリの特徴>
 「レインボーツリー」と呼ばれるこの"Eucalyptus deglupta"ですが、その名のとおり、とっても不思議でカラフルな樹皮を持ち合わせます。毎年、異なる時期に樹皮が剥げ落ち、その樹皮の色は青や紫、橙、茶色に変化します。木材価格は高くないものの、生長の早さなどから主要な造林樹種として世界的に造林されています。
 ユーカリと聞くと、コアラがその葉を食べることでも知られていますが、一般的にユーカリは500種以上存在するようで、実際にコアラがその葉を食べることができる種はこのうちの1割にも満たないようです。
 また、オーストラリアではシドニー近郊の世界自然遺産「ブルーマウンテンズ」などにも代表されるとおりとても有名な樹種で、ユーカリから揮発される油分が、当該地域を「青く、雄大な山並みを見せる要因」となっていることからその名がついたとか。このほか、オーストラリアの中央部にある「エアーズロック(ウルル)」近郊にも異なる種のユーカリが自生しており、湿潤・乾燥問わず、オーストラリアはまさにユーカリ大国となっています。
 薪などの燃料材としても使われているように燃えやすい特徴がありますが、残念ながら2019年11月時点で発生しているオーストラリア東海岸での大規模な森林火災がなかなか鎮火できないでいることも、ユーカリが一つの原因となっているようです。

<写真の説明>
【写真①】ユーカリの種子
     めっちゃ小さい、胡麻みたいな大きさ
【写真②】ユーカリの苗木
     発芽後の実生苗をビニールポットに移し替える(150cc)
【写真③】ユーカリの若齢林
     植栽後2年程度の林分、とても生長が早い

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