2020/03/19 Thu
活動
【活動】海を漂う丸太
今回は「丸太の海上輸送」についてお話します。
<なんだか見たことのない光景だぞ>
通常、海外企業による商業伐採(ロギング)が行われる現場では、土場(ログポンド)で中規模の船舶を横付けして一旦は丸太を積載した後、沖合に停泊している大型の船舶へと積み替え作業を行います。
ただ、稀な事例として、山出しした丸太を土場周辺の海面に並べた後、丸太の端部にくさびを打って引っ張り出すことで、海上輸送による集運材作業を行う場合もあるようです。
しかし、これには問題もあり、配属先である森林研究省ムンダ事務所管内では、海上輸送による丸太の集運材作業を行っている事例において、どうやら「伐採業者が土場での材積検査を受けたくないため、こっそりと丸太搬出している可能性がある」ことから問題視されており、政府としては十分に警戒する必要がありそうです。
<日本でも…>
日本では古来より、「山林から伐採した丸太を搬出すること」がとても重労働だったことから、「修羅出し」といって山の傾斜を利用して丸太を滑り落す作業をしていたほか、「筏流し」といって、河川の流れを利用して上流部から下流部に向かって丸太を運んだ歴史があります。
今回のソロモンの現場では、このような日本林業における以前の様子を沸々と想像させてくれたようにも思います。本当にいろいろな手段があるものですね。
<写真の説明>
【写真①】海上において原木丸太を積載途中のタンカー
【写真②】土場(ログポンド)から沖合で停泊中のタンカーへと海上輸送する様子
【写真③】原木丸太の先端部には一か所だけくさびを打って固定している
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