2020/02/06 Thu
文化
【文化】⑥ソロモンの森:上
今回はソロモン諸島の森のとあるエピソードについて紹介します。
<空からの景色>
飛行機の窓から、任地があるウェスタン州ニュージョージア島の山林を眺めてみました。すると気になる風景が見えます。
森林伐採が行われている現場から流れる河川の先には、濁った河口部が確認できます。私の任地ではロビアナラグーンと呼ばれる非常に美しく穏やかな海域が広がるのですが、どうもその海の一部が土砂で濁っているように見えます。
普段から綺麗な景色が見えるはずなのに、、、森林環境の破壊は水産資源などの周辺環境にも直接的な影響を与えかねず、非常に心配ですね。
<森林伐採(ロギング)>
別な日、別な現場にて、海外企業が操業する商業伐採地域でアセスメント業務を実施しました。複数の森林所有者から、「当初契約のエリア外において伐採が行われている」とのクレームがあったことから、配属先のスタッフとともに現地調査したのです。
ソロモン諸島森林研究省としては、環境保全の観点から「河川から30mまたは50mの範囲内における伐採行為」を原則禁止していますが、現場では大きく切り開かれた林内路網が河川脇に敷設され、多量の土砂が流れ出ていたほか、これまでに住民が育ててきた造林木や果樹なども伐採されていました。
この時に調査した書類は関係機関へと送付され、法的な措置を待つことになりました。森林のみならず、美しい海洋を含む自然環境保全のため、このような調査活動を継続していく必要があります。しかし、そもそもは過度な森林伐採が行われなくても良い社会構造へと発展していくことが期待されるように思います。
<写真の説明>
森林伐採が行われているそれぞれ別々な地域の代表的な写真を掲載
【写真①】森林伐採作業中の現場から(写真右上)、河口部へと土砂流出
~ウェスタン州ニュージョージア島の上空から撮影~
【写真②】違法操業中とみられる現場への河川をボートで進む
~河川の水が既に土砂で濁っている~
【写真③】森林伐採地域内の林内路網
~林道敷設にあたり、伐開幅が必要以上に広い~
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