2020/02/11 Tue
文化
【文化】⑪はたらく友クロニクル
今回は「同僚職員が四苦八苦する様子」について紹介します。
<電卓が壊れているわけあるかいな>
配属先である森林研究省ムンダ事務所の業務として、とある現場で取得した数値データをその場で計算処理しなければならないことが度々ある。
時に、データ量は数百にも及ぶため、計算を誤る可能性は確かにある。よって、十分に気を付けなければならない。
ならば、パソコン上で表計算ソフト(Excel)などを使えば良いじゃないか!!という意見が出ることはもっともだが、たいていの業務はパソコンの使用に不便な森林内で作業しなければならないことから、通常は電卓を使用せざるを得ないのである。
さて、最終的には「電卓を使って単なる足し算をするだけ」なのだが、常々、何度やっても計算が合わないのである。しまいには、
「電卓が壊れているんだな、参ったな」
と誰かがコメントし、周囲の同僚も「うんうん」と頷いているのである。いやいや、こちらが「参ったな」である。
<九九の暗記も電卓も>
ソロモン諸島では、「Solomon Islands Exercise Book(写真参照)」なるノートブックが存在し、学校の教室では子どもたちが使用している様子を目にする。
以前、教育関係の隊員に聞いた話では、このノートブックの裏に「九九の表」が掲載されているため、テストの最中にもこの表を見るがゆえ、わざわざ暗記せずとも九九の答えがわかってしまうらしい…というエピソードを知ったように思う。
なるほど、総じてソロモン人は「計算が不得意である」という話についても納得できるような気がする。でも、まぁまぁ、それならそれでしょうがないか、まぁいっか、と言ってやり過ごせる大らかさを携えた国民性についてもまた理解が進んできた今日この頃。
なお、前述の職場での事例では、結局のところ私がその場で電卓を叩いて見せたことで解決したものの、今なお再発防止策を模索中なのである。改めて教育の大切さを実感する日々である。
<写真の説明>
【写真①】電卓を使って足し算するが、何度やっても答えが違う…
【写真②】ソロモン国内で頻繁に使用されるノートブック
【写真③】裏面には九九の表が掲載され、カンニングすることも?
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