JICA海外協力隊の世界日記

レレ村からナマステ

दैनिकी_६ 桜ガーデンを作りたい② レレ自慢の牛糞堆肥と耳の不自由なお母さん

前回に引き続き、レレの桜ガーデンについて。
今回は桜の肥料に使われたレレ自慢の牛糞堆肥と耳の不自由なお母さんのお話。

桜植樹の1週間前、桜に使う肥料を探すため、CPとレレの山々をめぐりました。
レレの農家さんは自分たちで肥料を作っており、家によってこだわりもさまざまです。
堆肥に使用する家畜の糞や藁、草など種類や組み合わせも異なり、肥料の作り方も様々です。
今回は日本の桜のために一番良いとされている牛糞堆肥を探しました。

いくつか農家さんをめぐり、桜植樹場所から約30分歩いた場所にある最高級牛糞堆肥を使うことになりました。

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▲牛糞を赤土の家に塗ると体に良いとされ、この家では毎朝新しい牛糞堆肥を家に塗っています。黄土色の部分が牛糞。

牛の食事は毎日丁寧に作り、与えられます。
この時期は畑で収穫した豆の殻を煮詰めたものが牛の食事になるようです。
牛はとても神聖なため、私もCPもその牛に直接お会いすることはできませんでしたが、とても丁重に育てられていることが伝わります。
CPが堆肥を確認し、こちらの家の堆肥を使わせていただくことが決まりました。

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▲牛の食事を作る専用の台所

頂いた牛糞堆肥は肥料袋で合計5袋。
当初、バイクで1つずつ運ぶ予定でしたが、依頼していたバイクが来ることができなくなり、一つ一つ人間が担いで運ぶことになりました。
そこで近所に住む耳の不自由なお母さんが手伝ってくださることに。
まずは袋に牛糞堆肥を詰めていきます。

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▲牛糞堆肥。桑で耕し、石などを取り除き、袋に詰めていきます。

袋に詰め終わったら、額と背中で支えながら一つ一つ運んでいきます。
牛糞堆肥を詰める場所から桜の植樹場所までは結構な距離もあり、急斜面。
この袋はかなり重く、私もチャレンジしてみましたが、びくともしませんでした。
CPも持ち上げることができず、耳の不自由なお母さん一人に運んでいただくことになりました。
心配なのと申し訳なさとで私も一緒に隣を歩き、桜植樹場所まで往復しました。

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▲堆肥袋は紐をつけ、額と背中でバランスを取りながら運びます。

行きは急斜面で未舗装の道を踏ん張りながら歩き、 帰りは様々な会話をしながら戻りました。
昔犬にかまれて、それから犬が怖くなったこと、3人の子どもがいること、レレの道のこと。
お母さんは耳が不自由で言葉を使って話すことができませんが、表情とジェスチャーでいろんなことを伝えてくれました。
言葉を返しているわけではないのに、お母さんの温かいその雰囲気に、なんだかすべてが伝わるような不思議な経験でした。

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▲お母さんに頂いたおやつ。インゲンは収穫したて。生で食べるとみずみずしい。

5つの牛糞堆肥を運び終え、また別の農家さんからも5袋分けていただき、
合計10袋のレレ自慢の牛糞堆肥を桜の植樹で使いました。

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▲50センチくらい穴を掘り、その上に牛糞堆肥と土を混ぜながら入れて、桜の苗を植えました。

次回は桜植樹をきっかけにはじまったゴミ拾い運動について。

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