JICA海外協力隊の世界日記

この島、ポイ捨てやめるってよ

ペリリュー、ゴミ、時々童謡

Alli5回目の今回は、ようやくですが私がなぜパラオのペリリュー島にいるのか、この島で何をしているのか、活動内容について書いていきたいと思います。

私の仕事は、簡単に言えば「ペリリュー島をキレイにする仕組みを作ること」です。現在島ではゴミは分別されずに捨てられているため、最終処分場(パラオ語でゴミステバ)が着実にゴミで覆われてきています。そこでJICAに「どうにかしてくれ!」という要請が上がり、「どうにかしろ!」と私が派遣されてきた次第です。写真はそのゴミステバですが、紙もプラスチックも金属も何もかもここに運ばれてきて、そのまま放置されています。この状況はこの島だけで見られるものではなく、世界中のほとんどの国でゴミは焼却せずに埋立てもしくは放置されるのが常識となっています。これは焼却施設を導入してもメンテナンスできなかったり燃料代が払えなかったりすることが原因なのですが、結果ゴミは増え続けることになります。(日本の焼却率の高さは他の先進国と比べても群を抜いています。)なお写真では煙が上がっていますが、誰かが勝手に燃やしています。基本、放置です。そしてこのゴミステバのそばにはマングローブ林があり、そこの生態系への悪影響も懸念されています。元サンゴ研究者としてこれは放ってはいられません。ということで、今私は遠路遥々ペリリュー島に来て、ゴミにまみれています。

ではどうやってこの島をキレイにすればいいでしょうか?これは、完全に私に委ねられています。途上国からJICAに上がってくる要請は、大きく2つに分けることができると個人的に考えています。

その1…すでに行われている仕事のサポートや改善を求められる。(ある程度やることが決まっている。)

その2…どうにかしてくれ!(何も決まっていない)

というわけで、私はその2のケースです。配属先であるペリリュー州政府には廃棄物管理を行う部署もなく、そこにポツンと日本からやってきました。いや~、来る前はすでにそういうチームがあって、その人達と一緒に活動すると思っていたんですけどね。なめてました。

当然何をやるか決まっているわけもなく、課題だけが山積しています。ただやるべきことははっきりしています。

①最終処分場自体の改善を行う。

②最終処分場に捨てられるゴミを減らす。

島に来て1ヶ月も過ぎると配属先の状況もわかってきましたので、①については機材も人手もお金もかなり必要と判断し、まずは②から進めていくことにしました。

そういう背景があり、ゴミの量を減らす、つまりリサイクルをとことん進めてこの島からゴミを掻き出すシステムを作ることを当面の目標に現在は活動を続けています。すでに8月からプロジェクトの第一弾は立ち上げ順調に進んでいますが、詳細はまた今度にしましょう。

(写真は島に大量に不法投棄されている廃車。これもどうにかしたいですけど。。。お金がない。。。)

ちょっとゴミの話は置いておいて、別の仕事の話をしましょう。

協力隊は、便利屋です。配属先から言われたことは基本断りません(度が過ぎたら問題ですが)。

私の任地であるペリリュー島は日本との関わりが強いため、日本からの観光客も多く訪れますし、交流会のようなイベントも度々開催されます。そして昨年、ある日本の団体が写真にある童謡・唱歌のCDDVDを大量に寄贈してくれました。当然日本語なので島民のみなさんは歌詞を読めません。そして今年、私が配属されてきました。私の最初の仕事、それはこの写真の全てのCDDVDの日本語の歌詞をローマ字に起こすこと。延べ215曲。まさか南国に来て視力が悪くなるとは思ってもいませんでした。まあ私の作った歌詞を見ながらおばあちゃん達が「桃太郎さん」を歌っているのを見ると幸せですけどね。いい思い出です。もう二度とやりたくないですけど。

次回からは、活動のことや日常生活のこと、ペリリュー島のことや様々なイベントのことをランダムに書いていきたいと思いますのでお楽しみに!

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