JICA海外協力隊の世界日記

ゆりこが覗いたインド

大豆のレクチャー

今日は、私がどんな活動をしているかを少し紹介します。

紹介するのは、少し前に農家の女性向けに実施した、大豆から豆乳・おから・豆腐を作るレクチャー。

何でやろうと思ったかというと、大豆を単なる販売用作物ではなく、自家消費する作物という意識を持ってほしいと思ったからです。

職場がターゲットにしている村では、作物のタネを配ったり、栽培方法を指導したりしているんですが、

村で「収穫した大豆はどうするの?」と聞いたら、

主に「食用油に加工するために売る」のだそう。

「大豆ミートとしてナゲットを作ったり、野菜の炒め煮にも使ったりしたこともある」と言う女性もいましたが、

油糧種子として販売用に卸すことがメインだと分かりました。

なるほど、他の豆ほどは積極的に食卓に取り入れていないのか。

販売作物のレパートリーを増やして農家の収入向上を目指すという方針もそれはそれで良いことだとは思うんですが、

せっかくだったら、自身で作っている作物で自身の食卓も豊かにしてもらいたいと思い、このレクチャーを実施することにしました。

レクチャー前日、同僚経由で女性たちに「ミキサーと酢、水に浸した状態の大豆2kgを用意しておいてほしい」と伝えておきました。

そしてレクチャー当日。

直前の呼び掛けにも関わらず、農家の女性19人が集まってくれました。

「最初に自己紹介して、大豆を今どうやって消費しているのか聞いたり、大豆の栄養について話してからレクチャーに移ろう…」

と頭の中で考えていったものの、

集まった女性達がさっそく「ねぇ、じゃあこの大豆をミキサーに掛けていっていいのね?」と作業を始めようとしてくれたので、

「え?あ、はい!」と、ばたばたとレクチャーが始まってしまいました(笑)

まず、清潔な水に一晩浸しておいた大豆を洗い、外皮を取り除いたものをミキサーに掛けていきます。

次に、ミキサーに掛けたものを清潔な布で絞り、絞って出てきたものが豆乳、布に残ったものがおから。

続けて、豆乳は鍋に掛け、酢を入れながら混ぜ、固まってきたものを集めて水気を切り、豆腐を作りました。

おからは、じゃがいもや玉ねぎ、調味料と混ぜて焼くと、おからハンバーグの出来上がり。

インドはベジタリアンの方がほとんどなので、肉や卵は一切使わずに作ります。

肝心のお味は…?

おからハンバーグは味付けもしてあるので受けが良かったんですが、豆乳と豆腐に関してはそのまま試食してもらったので、味に対する反応は正直「いまいち」だったな~。

レクチャー自体は、皆さん興味を持って見てくれていて、身を乗り出して聞いてくれたり、一緒におからハンバーグを作ってくれていたので楽しんでもらえたんですけどね。

村の女性達や同僚に聞いたら、「ここら辺の地域では、まだまだ豆乳は普及してないからね」とのこと。

豆腐は「Soya Paneer」(直訳すると「大豆チーズ」)という呼び方もあるんですが、こちらも一般家庭に普及しているとは言えません。

牛乳の代わりに豆乳でチャイを作ってみせたり、豆腐入りカレーを作ってみたら、「これなら食卓に活かせそう!」と思ってもらえたかも知れないなぁ。

次回、別の村でやることがあれば失敗を活かしていこう。

あ、レクチャーの内容を図解した冊子を手作りして行ったんですが、こちらは反応が良かったです!

A3用紙1枚に手書きして、必要部数を職場で印刷して折り畳むだけで、冊子の出来上がり。

予算や資材が限られるボランティア活動の強い味方です。

最後に、参加してくれた女性の皆さんの名前を日本語で冊子に書いてあげると、とても喜んでもらえました。

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