JICA海外協力隊の世界日記

ゆりこが覗いたインド

豆乳チャイ、作ってみました。

先日、近隣の農村を訪れ、村の女性たちに「大豆から、豆乳とおから」を作るレクチャーをしました。

私の所属するプロジェクトでは、農家の収入向上のために栽培作物の多様化を推進し、「穀物以外にも色々な野菜や作物を栽培して販売できるようにサポートしよう!」としているのですが、玉ねぎやカリフラワー等の野菜に加えて、大豆の栽培も推進しています。

ただ、育てた大豆の大半は、大豆油の原料となる油糧種子としてマーケットに卸すか、家畜の飼料にされています。

この日訪れた村で尋ねても、大豆は「家畜の飼料にすることがほとんどだ」とのこと。

プロジェクトの目標が「農家の収入向上」なので、大半を卸していることはそれはそれで良いのですが、せっかくなので「自分達の食生活に取り入れることも出来ますよ!」と伝えるために、このレクチャーをしました。

目的地の村までは車で45分程。

普段から車酔いしやすい私は、村に行く時はいつも酔い止め薬を飲んでから向かうのですが、それでも酔います。

凸凹道や曲がりくねった道が続いたり、ドライバーが急停止や急発進を繰り返すことが多いので(さすがに酷い時は注意します)、大袈裟ですが毎回命懸けで向かっています。

そして今日もいつも通り車酔いし、「車を停めてもらおうか、引き返してもらおうか…」と何度も思っては「でもせっかく今日集まってもらうんだから絶対やりたい!」と思い留まることを繰り返し、「はぁはぁ」と肩で息をしながら、無事に(?)村に到着しました。

「ボランティア活動で一番辛いことは?」と聞かれたら「車酔い」と答えるかも知れません…。

それくらい車酔いしやすい私にとっては辛いです(笑)

到着後、しばらく地べたに座り込んで気力を取り戻してから、笑顔で村に向かいました。

到着すると、村の女性たちが少しずつ集まってきてくれていて、最終的に20人程の女性達が参加してくれました。

まず、水に浸しておいた大豆をミキサーに掛けて濾して「豆乳」を作った後、残った「おから」でティッキー(衣無しコロッケのイメージ)を作ります。

今まで他の村で実施した時は、出来た豆乳を温めて「豆乳」として、そのまま飲んでもらっていましたが、やはり豆乳特有の味や香りのせいで「おいしくない」と言われる機会が多くありました。

そこで今回は、インドで毎日飲まれる「チャイ」を豆乳で作ってもらおうと思い、茶葉や砂糖、カルダモンを加えて「豆乳チャイ」を作ってもらうと「これなら飲みやすいかも」と言ってもらえました。

IMG_3963.JPG

こうして、牛乳の代わりに豆乳でもチャイが作れる体験を味わってもらうことが出来ました。

IMG_3973.JPG

IMG_3983.JPG

そういえば、チャイを作る前、女性達が自主的に「大豆は栄養豊富で体にいいんでしょ、だから子供たちにも飲ませたい」と提案してくれたので、チャイを作る前に豆乳を取り分け、「カルダモン入りの温めた豆乳」をその場にいた子ども達にも飲んでもらう流れになったのが嬉しかったですね。

「豆乳チャイ」作りの後は、おからでティッキーというインドの軽食を作りました。

おからに、こちらでよく料理に使われるひよこ豆の粉や玉ねぎ、唐辛子、クミンシード、塩を混ぜてこねたものを、油で揚げます。

3A0EC7B5-AD25-47E3-A47D-A219E62FCC4C.jpg

その場にいた女性や子供たちが満足できるくらい、たくさんのティッキーが出来上がりました。

ちょうどお昼時になったので、皆さんのお昼ご飯にもなって良かった~。

IMG_4116.JPG

誰かが家からチャツネ(味付けソース的なもの)を持ってきてくれたので、皆さんそれを付けて食べていましたよ。

IMG_4156.JPG

豆乳チャイやおからティッキーを食べている時は、女性たちに「村の女性グループとして普段どんなことをしているか」について話を聞いていました。

この村の女性で構成された「女性グループ」のメンバーは約30人で、役職としてリーダーと書記兼会計係がいます。

ここの女性グループは、2年ほど前、農業技術普及を目的に中央政府の補助で作られた農業系機構の呼び掛けで作られたものです。

毎月、リーダーの家などに集まり、1人50ルピー(約75円)を集めて銀行口座に預けていますが、未だ使用目的は決まっておらず、2年前に活動を開始したグループなので積立金額もそれ程貯まっていません。

皆さんで集まってどんな事をしているのかというと、「ビジネス的なことはやっていないし興味もない」とのことで、皆さんで時々アチャール(野菜や果物で作るピクルス)を作ったりしています。

こうしてお昼過ぎには、全てのプログラムを終えました。

村で皆さんに集まってもらう時は、家事や畑の管理、子どもの世話などで忙しい中集まってもらっているので、なるべく早めに終わるように段取りを意識して行なっています。

終わった後は、職場から迎えの車が来るまで村の人の家で待たせてもらいました。

待っている間は、自宅のビニールハウスでどんな野菜を栽培しているか見せてもらったり、種の仕入れ値や野菜(カリフラワーやほうれん草、にんにく等)の売り値、どこで売っているのか等を尋ねたりして過ごしました。

あとは、家族の話を聞いたり(娘が何歳で、大学で何を勉強したかとか)、写真を見せてもらったりと、プライベートな話も伺ったり。

女性の旦那さん達とも話し、仕事や収入源を尋ねると「約30年間軍人だったから、今は退役軍人として年金暮らし」や「近くで電化製品の小売店をやっている」と教えてもらいました。

色んな農村で「旦那さんの仕事は?」と尋ねると、退役軍人として年金暮らしの方や、個人で小売店を営んでいる方が多いですね。

ヒンディー語しか通じない環境に、職場の付き添いもなく1人でぽつんと入り込むので「大丈夫かな、ちゃんと出来るかな」と毎度不安になりますが、案外大丈夫なものです。

この日も、(急用でリーダー職の女性は不在でしたが)自然とリーダー格になってくれる女性が出てきて中心になって進めてくれ、その場にない道具は都度「ミキサー持ってきて」「カルダモン持ってきて」と誰かに家から持ってきてもらうことで、無事に乗り切ることができました。

今日伝えたことを各家庭で実践してくれるかどうかは未だ分かりませんが、何かに繋がるように今後のフォローアップも考えていきたいと思います。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ