2020/02/25 Tue
文化
同僚の結婚式
日曜日、同僚の結婚式に誘われました。
彼女は、同じプロジェクト内の違う部署のインド人女性。
違う部署に勤務していますが、年齢が近いこともあって以前からよく話す仲です。
時々ふたりで昼休みに話したり、近所のファーストフード店で喋ったりするのですが、話す内容はいつも結婚や仕事に関する話です。
なので、今回「お見合い結婚が決まったよー!」と連絡をもらった時は、感慨深い気持ちでとっても嬉しくなりました!
(左:わたし 真ん中:一緒に行った同僚 右:花嫁姿の同僚)
こちらに住んでいて周りを見ていて思うのは「お見合い結婚が多いなぁ」ということです。
お見合い結婚は、両親が知人や職場の関係者を通じて相手を探し、占星術のホロスコープ(天体の配置図)をもとに、相手との相性や結婚に適したタイミングを考えてセッティングされます。
今回結婚式を挙げる彼女も「お見合い結婚」なのですが、新郎と会うのはこの結婚式が3回目だそう!
1回目は両親を交えての初対面で、2回目は2人で会い、そしてこの結婚式が3回目です。
(今回行ったイベント会場はこんな様子でした)
結婚式は、地域や家庭など様々な事情によって異なりますが、一般的に3日間行われることが多いです。
彼女の結婚式も3日間続き、身体にヘナアートをしたりターメリックを塗ったりする儀式をしたり、新郎側が新婦側に行ったり、新婦側が新郎側に行ったり、両家が揃って祝ったりと、盛りだくさんの内容です。
今回呼ばれたのは、結婚式の3日目でした。
会場は彼女の地元だったので、私の自宅からは片道2時間半掛かりました。
会場に着き、お化粧姿と華やかな花嫁衣装ですっかり別人のように変身した彼女を見て「おおお~!」と叫んでしまいました。
綺麗ー!ゴージャス!
この日は、昼頃から美容サロンにいて、5時間ほど化粧や準備に費やしたそうで「昼ご飯もまだ食べてないの」と18時半頃に言っていました。
それはそれは、お疲れさま…!
「でも、お母さんの方が準備が大変で、ここ3か月から半年くらいが特に忙しくて今体調崩しちゃった」と話していました。
彼女の花嫁衣装は、レヘンガ(スカート)とチョリ(ブラウス)を着て、肩からドゥパッター(ストール)を着るスタイルでした。
私のいる地域ではサリーの文化が薄いので、華やかな服装としてこの「レヘンガ」を着る女性が多いです。
結婚式の衣装なので素材も装飾も豪華で、深紅色の生地に、金色の刺繍がたくさん施されていました。
衣装について、「深紅色にするかピンク色にするか迷ったけど、この色で良かったよね?ピンクだと若過ぎるよね?」「その色で似合ってるよ!」なんて話したりしました。
衣装やアクセサリーの多くはレンタルしたものだそうですが、「レヘンガ(スカート)は、レンタル価格も購入価格もそんなに変わらなかったから購入したんだ」と教えてくれました。
結婚式の前に、新婦は「メヘンディ」と呼ばれるヘナアートを両腕・両脚に施してから結婚式のイベントに臨みます。
彼女の右手には2人のイニシャルを入れていました。さり気なくて良いですね!
(靴を脱いで、足のヘナアートも見せてくれました)
新婦と同じく、新婦の女性親族や親しい友人も「メヘンディ」を施しているので、結婚式に行ってきたばかりだという友達の手からチラリと素敵なヘナアートが覗いていることもあります。
腕にたくさん着けている、赤色や金色の細いバングルたちは「Chuda(チュダー)」と呼ばれ、新婚女性は新婚の1年間くらい着け続けます。
3か月くらいで新しいものに取り換えたりもするみたいですが、基本的にシャワーや寝る時も外さないんだよ~と彼女は言っていました。
鼻には華やかな鼻ピアスを着けます。
もともと、鼻ピアス=花嫁になったら開けるもの、という文化がこちらにはあるんですが、最近では結婚しているか否かに関わらず、鼻ピアス=ファッションとして浸透しています。
なので、街中を歩いていると「鼻ピアスをしていない女性はいないんじゃないか?」と思うくらい、皆さん鼻ピアスを着けています。
おでこに着けている飾りは「Maang Tikka(マーング ティッカー)」といい、頭頂部にピンで留めておでこに垂らしています。
後頭部には、本物の赤いバラの花を飾りに使います。良い香りがしそう!
彼女のもとには、たくさんの親族や友人たちが駆けつけて、花嫁姿の彼女をたくさん撮影していました。
(この親族の女性たちが着ているのは、インドの衣装「サリー」ですね。丈の短いトップスを着た上から、長い一枚布を身体に巻き付ける服装です)
参列者は皆さん華やかな衣装を身に着けているので、見ているだけでも楽しいです。
日本の結婚式では参列者は白色の服を避けることが多いですが、こちらでは葬式を連想させることから白色と黒色が避けられることが多いです。
そして、カメラマンもたくさん彼女を撮影していました。
一方、新郎はこのような衣装でした。
首に掛けている飾りは、なんと本物の紙幣で出来ているんです!水色の50ルピー紙幣(約75円)がたくさん張り付けられています。
お祝いの場でよく見られる飾りですね。
会場では、軽食を食べたりして過ごしました。
残念ながら、早めに帰路に着かないと帰宅時間が遅くなってしまいそうだったので、新婦と新婦の姿を見たり軽食を食べたりしただけで、私はお暇しました。
この後、新郎新婦が揃って首飾りの交換をしたり、色んな儀式をしたり、晩ご飯を食べたりするのですが、見届けることができなくて残念!
後日、写真を見せてもらいながらたっぷり話を聞かせてもらいました。
インドの結婚式に参列していて「日本と似てるな~」と思うのが、インドにもお祝儀があることです。お祝儀のことは、ヒンディー語で「Shagun(シャグン)」と呼びます。
包む金額は関係性や親しさにも依りますし、渡すことは必須ではありません。
町中で売っている綺麗なお祝儀袋(封筒)にお金を入れて渡すのですが、包む金額は「縁起が良いように」と、割り切れない奇数額を入れます。
日本と似ていますよね!
例えば、200ルピー分のお札と1ルピー玉を入れて「201ルピー」にしたり、500ルピー分のお札と1ルピー玉を入れて「501ルピー」にしたり、1000ルピー分のお札と1ルピー玉を入れて「1001ルピー」にしたり。
なので、町で売っているお祝儀袋は、最初から1ルピー玉が入った状態で店に並んでいることも多いです。
思い返してみると、インドに来てから、結婚式や婚約式(婚約指輪の交換をするもので「Ring Ceremony」と呼ばれます)などには5回くらい参加してきましたが、今回ほど身近な人の結婚式は初めてです。
今まで参加したのは、どれも「知り合いの知り合い」「自宅の大家さんの息子」「村で偶然やっていた式に参加した」などでした。
たとえ呼ばれていなくても、「知り合いの知り合い」程度の間柄でも、誰でもウェルカム!
それがインドの結婚式です。
これからも、本人を知っているかどうかに関わらず、色んな結婚式に参加していきたいなと思っています。
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