JICA海外協力隊の世界日記

マテ茶とおしゃべりでとらんきーろ

19)アオポイから考える買い物の仕方

Hola
本日はパラグアイの手工芸品について説明します。
先日、任地の近くにパラグアイの手工芸の町があると知り、アオポイの町yataity(ジャタイトゥ)に行ってきました。アオポイとはパラグアイを代表する手工芸の一つで、刺繍入りの木綿生地の加工品です。
グアラニー語で布という意味のアオ、繊細という意味のポイでアオポイ(Ao po’i)といいます。

その日はちょうどアオポイ祭りが行われていたので、公園にはたくさんのお店が出店しており、たくさんの商品をみたり、作り手の方とお話することができました。また、洋裁学校の見学もできました。

今回人生で初めて、糸や布ができる過程を見せてもらいました。(写真1枚目)
私たちが普段使う布は全て糸からできています。綿をほぐし種を取り、専用の道具でほぐした綿をまとめ、糸巻きにかけると糸になります。そしてできた糸を機織り機で織り、一枚の布ができあがります。過程がどれも原始的で現代の今でも全て手作業で行われていることに感動しました。また、その日、マフラーやストール、赤ちゃんのお包み等として使えそうな少し大きくて長いアオポイを購入しました(写真2枚目)。2m×60cmのこちらもすべて糸を紡ぐところから始まっています。お値段は200mil guaraníで日本円で約4000円です。これが高いのか、安いのか正直わかりませんが、製作工程を見せてもらい、作り手の想いを聞き買ったその商品はわたしの中でとてもお気に入りのものとなっています。

ここ数年フェアトレードやエシカル商品、サステナビリティなど、人や環境、社会を意識した物の販売が行われるようになりましたが、現代社会では大量生産、大量消費で商品が安価に売られることが多く、消費者である私たちも同じ商品であれば安い方に手が伸びます。パラグアイに来て、手工芸品をよく目にするようになり、作り手がたくさんの労力と時間をかけた商品がいくらで購入されれば生計を立てることができるのか考える機会が増えました。日本もパラグアイも生計が立たないからと工芸を生業とする人は年々少なくなっていると聞きます。またその現実も理解できます。しかしそのような理由で古く代々伝わる素敵な手工芸がなくなるのはとても悲しく残念なことです。買い物は投票という言葉があるように、自分にとって何が大切で何にお金を払いたいかをしっかり考えながら物を購入したいと、このアオポイを買いながら思いました。

それでは、また次回、chao!

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