JICA海外協力隊の世界日記

マテ茶とおしゃべりでとらんきーろ

16)パラグアイの助け合い文化

Hola!今回はパラグアイで生活する中で印象的な助け合い文化を紹介します。

先日816日はパラグアイのこどもの日でした。日本のこどもの日は5月5日ですが、パラグアイのこどもの日は1869年の三国同盟戦争のアコスタ・ニュの戦いで犠牲になった多くの子供達への追悼と、そのような歴史が二度と繰り返されないようにと願いを込めて、8月16日に決められています。

この次の日、わたしの配属先でもこどもの日イベントDía del niñoが開催されました。同僚たちは子供たちに渡すためのお菓子やパンチョ(ホットドッ)、ジュース等を用意するため2-3週間前から準備をしていました。まずはチラシを作り、SNSでイベント開催を呼びかけます。その投稿には、「寄付をよろしくお願いします」の文字がありました。すると、以前共に働いていたスタッフや住民たちからたくさんの飴やスナック菓子等の寄付が集まり、当日を迎えました。

パラグアイで生活する中で、パラグアイには困っている人がいたら手を差し伸べる優しい人たちが多い印象があります。病気等で治療資金が必要になると、チパやソパ・パラグアージャ等伝統的な食べ物を皆で作って売り、その売上金を治療費に回すと聞きました。わたしがよく遊ぶ子どもも幼い頃手術を受ける必要があり、家族や地域住民で協力し資金を集めたそうです。また、配属先にトイレを新設するときにも、皆で食べ物を作って売り、資金集めをしました。単発的に物が売られてる時は、誰かが何かに困って資金調達している場合があるから積極的に買うようにしてると同僚も話してくれました。

このようにパラグアイでは人が困っているときに助け合う文化が自然にあるように感じます。日本も助け合いの文化はありますが、災害時等特別な場合が多く、パラグアイではより日常的に行われているように思います。これは国民性、教育、社会制度、宗教の教え等様々な背景からこのような習慣ができていると思いますが、特に私が住む田舎では地域住民のほとんどが顔の見える関係であり、信頼関係があるからこそできることではないかと考えています。あそこの誰々さんが困ってる、だから何か手助けしたいと自然に思える関係は、とても素敵だと思います。

とはいえ、これはわたしにとって慣れない文化の一つです。他人からの支援が得られやすい一方で、求められる場合もあります。ここでスッとできればかっこいいのでしょうが、たとえ顔見知りであったとしてもわたしにはまだまだハードルが高く感じてしまいます。パラグアイ人のようにならなくとも、パラグアイにいる間に少しでもこの習慣を身につけられれば良いなと思っています。

それではまた次回、chao!

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