2019/05/31 Fri
生活
愛と平和のパラカツ日本語学校
4月最後の週末、ブラジリアがあるゴイアス州のお隣の州、ミナス・ジェライス州はパラカツ市に行って参りましたので、その様子を少しレポートしたいと思います。
パラカツでは、私より半年前にブラジルに到着した先輩ボランティア(日本語教師)が1名活動しています。彼女とはブラジリア・モデル校の研修を通して知り合いました。
パラカツはブラジリアから南にバスで4時間!何もない片道一車線の道をひたすら進んでいきます。
こんな遠い場所から、ブラジリア・モデル校で行われる研修や行事に欠かさず参加しているのは、現地の先生の熱い思いがあるから。ひとえに『生徒のため』にこんなことができる先生の姿勢には脱帽します。
パラカツ日本語学校に着いてまず驚いたのが、年季の入った木の学習机。学校ができた当初、みんなで作ったものを未だに使用しているそうです。
そして、『愛・平和』と大きく書かれた習字に十字架、街の中心にある教会の絵。日系社会の日本語学校という場所で、キリスト教のものがこんなにも堂々と飾られているのは、私自身ブラジルに来てから初体験でした。なんでも、以前先生を務められていた方がクリスチャンだったので置いてある、とのことでした。
ブラジリアと同じくセラード地帯のパラカツ。
(※「セラード」:ブラジル高原にひろがるサバナで、草原の中に低木が分散して生えているタイプの植生の意)
「不毛の地」と呼ばれたこの場所への日系人の入植は、1970年代のセラード開発に端を発します。しかし、この土地ですべての入植者が成功したわけではなく、サンパウロへ戻った人、出稼ぎで日本へ行った人...日本人会の規模は縮小しています。
また、パラカツは昔から金の採掘が行われており、かつては多くの黒人奴隷が存在していました。歴史を感じさせる石畳に、教会や歴史的建造物として保存されている家屋の美しい街並みに魅せられた旅でした。
現在、ゴイアス州で活動しているJICAボランティアは私一人。そんな中、遠いけど一番近くにいるのがパラカツ・ボランティアの彼女でした。彼女がいてくれて本当に心強かった。そんな彼女が来月、2年間の活動を終えていなくなってしまうことが、今とても寂しい私です。
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