JICA海外協力隊の世界日記

チュニジア女性は逞しい!?

ズィトゥーン(オリーブ)

前回はオリーブオイルについて述べましたが、今回はオリーブの木や実についてお話します。

時々、大家さんからペットボトルいっぱいに入ったオリーブのピクルスをいただきます。農家さんはじめ地方の家庭では、オリーブのピクルスを作っているようです。

街中のレストランでも、まず、日本の「お通し」のように、オリーブのピクルスがハリッサ(唐辛子ベースのペースト状の調味料)、チュニジアサラダ(きゅうり、トマト、玉ねぎを細かく刻んで和えたサラダ)、オリーブオイルなどと一緒に小皿で出てきます。サンドイッチにも付いてくるし、農家さんが出してくださる食事でも登場します。

オリーブのピクルスは、日本の漬物のような感じで、ハリッサと共にチュニジア人のソウルフードだと思います。日本人にとっての梅干しに近いように思います。

オリーブにも色々と種類があって、小さな実のものもあれば、大きな実のもの、黒い色のものや緑色のものがあります。また、オリーブにはタンニンという渋み成分が多く含まれており、収穫したままの生のオリーブを食べることはむずかしいので、水や塩に漬けて渋抜きをするようです。そういったところも日本の梅と似ています。

オリーブの木は大変丈夫で、長生きだそうです。樹齢何百年という木はもちろん、チュニジアには古くカルタゴの時代からのオリーブの木があるとか。悠久の時を感じます。ぜひ見てみたい。

そのオリーブの丈夫さを生かし、オリーブから作られる身の回りの品も多いです。特に台所用品。オリーブの工芸品はその年輪が見せる美しさがあって、好みの柄を選ぶのもとても楽しいです。

私はオリーブのキッチンボード(まな板)が欲しくて、スースに来てすぐメディナ(旧市街、色々な小売店が集まっていてとても賑やかです)に行って、キッチンボード、しゃもじを購入。最近も、ゴマを擦りたいと、雑貨フェアですり鉢とすりこぎのセットを購入、ついでにお椀も購入し、大満足です。

そんなオリーブですが、収穫期をご存知ですか?チュニスの街中で見た時は、年中実がなっているのかな、とも思ったのですが、秋から冬の始めにかけてが収穫期ようです。その年の採れたてのオリーブから作られた新しいオイルはサラッとしていてとても美味しいです。

実を収穫した後は、木の剪定を行います。

昨年3月、畑でオリーブの木の剪定会があり、私も参加させてもらいました。みんなノコギリを持ってきて、オリーブの木に登り、どんどん枝を切っていき、木の周りはあっと言う間に枝の山。

意外と簡単なのか、なんだか楽しそう。・・・。私も頼み込んで剪定させてもらいました。ところが、「あれ、なかなか切れない、節目だからかな?」。実家で行った柿の木の剪定とはだいぶ違います。柿の木はとても柔らかくて、簡単に枝が落とせるのでスパスパと切れたのに。

結局、20cmほどの節目の枝を1本落とすのに20、30分かかりました。木によって硬さがこんなに違うとは思わず、このように大変な作業をこちらの女性の農家さん達が軽々やっているのは驚きでした。

チュニジアではオリーブは余すところなく使われています。チュニジア人は「オリーブと共に生きている」と言っても言い過ぎではないように思います。ノコギリを片手に、果敢にオリーブの木に登っていく女性たちは勇ましくてカッコいい!

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