JICA海外協力隊の世界日記

チュニジア女性は逞しい!?

地震、台風、大雪、それとも水不足?

本日、能登地方で大きな地震がありました。私は大学時代に金沢にいたこともあって北陸地方の友人達にあわてて連絡しましたが、揺れは大きかったもののみんな無事のようでホッとしました。

日本では、地震は私たちの生活と隣り合わせにあります。そのほかに太平洋側は毎年台風が来て大雨、日本海側は毎年雪が積もり、吹雪くこともあります。が、チュニジアにはほぼありません。

今回は、チュニジアの気候や自然について感じていることをお話ししたいと思います。

チュニジアは、日本とほぼ同じ緯度にあります。私が暮らすスースは、北緯35度50分で、ちょうど東京は北緯35度41分でほぼ同じ緯度にあります。基本的には同じ“温帯”にいます。

でも、スースは毎日澄み渡るような青い空の良い天気。冬も暖かくて暖房は必要ありませんでした。台風もないし、雪おこしの雷もありません。

また、こちらに来てびっくりしたことがあります。家だけでなく高い建物が煉瓦で作られていて、作りかけで放置されているところも多いことです。こちらでは家と家は壁を共有しているので、表面が綺麗でも、裏に回ると煉瓦が剥き出しになっているところも。私が住んでいるアパートも、壁がトタンで覆われているところもあります。部屋の中では、ベッドの上に重たそうな絵が飾ってあったりします。日本のように地震を考慮した建築基準や生活は必要ないのですね。

なんて羨ましい・・・、と思っていたのですが、大きな問題がありました。

暑さと乾燥です。

スースでは灌漑していないところでは、草木はまばらにしか生えていません。

また、スース市内はここ何ヶ月かずっと夜断水しています。それが今チュニジア全体に拡大してきているようです。例年では春先に雨が降るらしいのですが、今年はあまり降らなかったため、チュニジアではダムが干上がりつつあるためです。

こちらの水道水は塩っ気があると感じることもあります。内陸部など、地下水の塩分濃度が高いため、作物が育たない地域もあります。農作物を育てる土壌について日本ではphを気にしますが、こちらではまず、塩分濃度を気にするようです。日本から持ってきたph検査薬には全く興味を示されず、塩分対策についても、色々調べて提案しましたが、日本の塩害対策は塩分濃度の想定が低いのでほとんど役に立たない、ということがわかりました。

それから、スースでは夏場、気温が摂氏40度を超える日もあります。7月8月、役所は15時位で閉まります。なぜだろう、と思っていたのですが、日中は暑くて仕事にならないようです。農家さんに行く場合も朝早く訪問したり、夕方日が沈む前に訪問したりします。

スースはチュニジアの中でも真ん中よりやや北にあります。北部にある首都チュニスやカルタゴ遺跡のある辺りは、草も生えていて緑が多いのですが、チュニジアの南はサハラ砂漠に続いています。地図上で湖になっているから、水があると思いきや、あたり一面、塩が結晶した砂漠でした。そんな地域でも人々が生活しています。

日本列島も南北東西に大きく広がっているので、気温や気候の違いはあるけれど、水の心配はほとんどなく、美しい四季に囲まれ、地震に怯えつつも私たちは豊かな自然に感謝しながら生きています。

全てが揃ったところはない。「毎日良い天気」は乾燥の裏返し。それぞれの条件の中で、みんな工夫をしながら生きている、と感じます。

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