JICA海外協力隊の世界日記

チュニジア女性は逞しい!?

一期一会

この週末は私にとって別れの週末でした。

ここスースで活動していた隊員が、任期満了で帰国しました。毎週ランチをしたり、ピアノを教えてもらったり、4月にはスペイン・ポルトガル旅行をしたりと、一緒に楽しみました。スースでは他に日本人を見かけることはありませんでしたから、とても心強い味方でした。金曜日に首都チュニスで開かれるミニコンサートにピアノを演奏する、ということを聞いたので、お邪魔させていただきました。
翌日、次は日本で会えるかしら、日本でも住んでいるのは遠くだから今までより会う頻度は減るだろうなあ、などと思いながら、チュニスからスースに帰りました。

土曜日、家に戻ると小鳥が元気に私を待っていました。
木曜日ベランダから部屋に入ってきた小鳥です。まだ巣立ちしたばかりなのか、それとも巣から落ちたひよこなのか、飛べる状態ではなかったので、金曜日にチュニスに発つ前に、ベランダに出して水とパンくず、それから少し日陰を用意しました。
帰ってきたら出かける前より少し大きくなっていて、ピヨピヨと鳴き、黄緑色の羽も生えて少し飛べるようになっていました。私はすっかり嬉しくなり、独り立ちできるまで育てるつもりになり、「ピヨちゃん」と呼び、「パンくずだと栄養が偏るから虫が必要だなあ・・・」などと呑気に考えていました。

が、日曜日の午前中、「昼寝をするからちょっとベランダに出ていてね」とその子をベランダに出し、午後ベランダを見たら死んでしまっていました。熱中症だと思います。午前中、ベランダには日が当たっていたから。水を撒いておけばよかった、と後悔しました。ごめんなさい・・・。夕方、公園の木の下にその子を埋めてあげました。命は儚いものだ、と思ったのです。

そして月曜日、高校の先輩が亡くなったことを知りました。細やかな気遣いをされる方で、日本に戻ったらお会いできればいいな、と思っていたので、ショックです。今、良い言葉が全く見つかりませんが、いつか機会があれば、とただ待っていてもダメなのだ、会える時に会っておかなければ会えないのだ、ということはわかりました。

海外協力隊の任期は2年。1年半が経過し、残り半年となりました。残り半年で私に何ができるだろう、などと考えることが多いです。色々やりたいことがあるものの、いまだにアラビア語チュニジア方言をほとんど理解できず、申し訳なく思います。農家の方々はアラビア語チュニジア方言しか理解できない方がほとんどです。そして、日常語は、フスハー(正則アラビア語)と呼ばれる、標準的なアラビア語とは、異なるものが多いです。現在は、コミュニケーションを取るために翻訳アプリを利用していますが、これで通じているのか不安ですし、理由とか、本音など突っ込んだところまでは、うまく話せません。

日本人とチュニジア人では、宗教観や、生き方、など大きな違いがあります。そういったところも理解したいし、もっと一緒に活動したいし、また私がいなくなった後でも自立した活動を続けてほしい、とも思っています。
あと半年しかありませんが、チュニジアの方々とチュニジアの言葉で話をし、共に時間を過ごして、もっともっと仲良くなりたいと思います。そしてできれば、少しでも多くの人々に日本に訪れてほしい、と思います。

「一期一会」は、茶道から生まれた言葉のようです。日本人の人生観を表しており、私達が日常生活では意識しない、宗教的な概念も含むと思います。誰か会えたその経験、その機会に感謝し、大事にしよう、と改めて思います。
幸い、今はSNSなどで、自分が繋がろうと思えば繋がっていることができる世の中になりました。でも行動するか、を決めるのはどうか、は自分です。

(写真は隊員やチュニジアの大学生と一緒に乗った観光客向けの海賊船での様子:良い思い出になりました)

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