JICA海外協力隊の世界日記

チュニジア女性は逞しい!?

シュクーンマーヤ(私は誰と話しているの? شكون مَعَايا؟)

外国語での電話は辛いもの。ご多分に漏れず、私もここチュニジアで大変苦労しています。

私の語学スキルの問題に加え、別の大きい問題があるのです。チュニジアの皆さんは電話が大好きなのですが、電話をかける時なぜか名乗らない

私は以前勤めていた会社で電話をよく取っていたからか、電話の声で「あ、誰々さんだな」と聞き分けられる方なのです。が、初めて電話してくる人やよく知らない人については、流石に誰なのかわかりません。

以前、女性から電話がかかってきて「元気?」という挨拶から始まり「今週の日曜日に会わない?」と言われたことがあります。週末に会う約束をしていた人かと思って話をしていたら、別人でした。「ビゼルト橋のところで会いましょう」と言われて、あれ、おかしいな、と思い、慌てて「次の日曜日は厳しいので、別の機会に会いましょうね」と返事をしました。

また別の日も、知らない番号から電話がかかってきたのですが、その人も名前を名乗らず、「あなたはフランス語を話せる?」と聞かれ、その後相手は一方的に話し始めました。私はフランス語で話される電話の用件がよくわかりませんでした。それで相手が誰なのか確認しようと思い、咄嗟に「Qui est-ce?(誰?)」と聞きました。「Quel est votre nom?(あなたのお名前は?)」の方が良かったとは思うのですが。相手は「あなたの言っていることがわからない」と言ってきます。とうとう向こうから電話を切られてしまいました。

後から思い出しました。そういえば、銀行のオンライン取引のアプリケーションが使えなくなったから、インターネットで問い合せをしたっけ・・・。どうやら、私が行った問い合わせの対応のための電話だったようです。

ただでさえ、言葉がわからない中で、誰と話をしているかわからないのでは、用件の想像すらできません。私はすっかり電話が苦手になってしまいました。チュニジア人は電話で相手が誰だかわからず困らないのかな、かかってくる人全員の電話番号を登録している訳ではないだろうに。すごいな・・・と思ったのです。

⭐️  ⭐️ ⭐️

ところが、最近、私の同僚が電話でよく「シュクーンマーヤ? شكون مَعَايا؟」と言っているのことに気が付きました。「シュクーン」、というのはアラビア語チュニジア方言で「誰?」という意味です。

同僚に「『あなたは誰?』と電話の相手に聞いているの?」と聞いたら、「『私は誰と話しているのかしら?』という意味よ」とのこと。なんだ、チュニジア人も誰と話しているのかわからないから、相手に聞くのか・・・。

チュニジア人が日本人にはない特殊能力を持っている訳ではなかったことに安心するとともに、「シュクーンマーヤ? شكون مَعَايا؟」という言葉は便利だな、と思いました。フランス語の「Qui est-ce?」、というのは、直接相手に言うには少し礼儀を欠いているフレーズですし、フランス語よりチュニジアの言葉で話し始めた方が相手も打ち解けてくれてコミュニケーションがスムーズになるような気がします。それに、「私は誰と話をしているのかしら?」というのは、ちょっとお洒落な言い方だとは思いませんか?

ああ、もっと早く知っていたら、もっと使えたのに。

ちなみに同僚は「チュニジアでは、電話の時に名乗らなくてもいいのよ」と言っていました。その理由はまだ謎です。セキュリティのためかもしれません。

でも、もし特段の理由がなければ、日本のように相手を確認しつつまず自分が名乗ると、電話でのコミュニケーションはスムーズになるだろうな、と思いました。日本人は「今お時間よろしいですか?」も付け加えますね。日本人らしい心遣いだと思います。


とは言いつつ、ここはチュニジア。「郷に入れば郷に従え」、です。残り少ない活動期間になってきましたが、今度知らない人から電話がかかってきた時には、「シュクーンマーヤ?」と言ってみようと思います。

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