2020/03/03 Tue
宗教 文化
ブードゥー教の祭典


毎年1月10日はブードゥの祝日とされ、FESTIVAL VODOUN(ブードゥー教の祭典)のために世界中から信者や観光客が聖地ウィダにやってきます。ブードゥーと聞くと、呪いのブードゥー人形をイメージされる方がいるかもしれませんが、ブードゥー教はベナンの国教とされる民間信仰で、太鼓を使ったダンスや歌、動物の生贄、神が乗り移る「神懸かり」などの儀式があります。
歴史
奴隷貿易でカリブ海地域へ強制連行されたフォン族の間における伝承・信仰が発祥だそうです(諸説あり)。聖地ウィダには、捕らえられた奴隷が船に乗せられるまでの道「奴隷街道」があり、忘却の木や収容所といったいくつものポイントがあります。奴隷街道の最終地点「Door of No Return~帰らずの門~」で、実施されました。


祭典の様子
参加者で大渋滞の奴隷街道を抜け10時頃に到着すると偉い方の演説が行なわれていました。その後、12時間半頃に動きがあり、会場の中心で祈りと歌、そして生贄の子羊が捧げられ、太鼓を使ったダンスや歌が始まりました。信者の派閥がいくつもあり、それぞれ異なるスタイルで儀式(ダンスや歌)が行われました。一番衝撃的だったのは、自分の体や他の信者をナイフで傷つけるシーンでした。神懸かりにあって(おそらく)、救護テントに運ばれる信者もいました。
ブードゥー教の神々
日本の神道のように、ブードゥー教に様々な神がいます。(大抵、お祭りでその目にすることができるのが、死を司るザンベト様、そして先祖の霊を司るエグン様で、全身が衣装で覆われた神様が祭典で祈祷やダンスを行います。)この日の祭典では、休憩のため私が会場を離れている時に登場していたようで、今回は見ることができませんでした。他にも、私の知る限りでは、創成神マウ、マウと人間を繋ぐメッセンジャーのレグバ、大地の神サバタ、蛇神ダン、鉄の神であり復讐神オロ、雷神ヘヴィオソ、水神トホス、海神マミワタ、母神ママタド…etc、多数の神々が存在します。


まとめ
冒頭で呪いについて触れましたが、ベナンの人々…少なくとも私の周囲の人々は、信者でなくとも、呪術を本当に信じています。呪術をかける場合は、他人への嫉妬が原因となる場合が多い印象です。なので、人から妬まれるようなことがある場合は、守護の呪術をかけてもらって、攻撃の呪術から自分や家族を守るそうです。
日常のブードゥー教と祭典のブードゥー教、そして、様々な神々。今回の記事を作成するにあたり、私も様々な資料やWEBサイト、周囲のベナン人に話しを聞きましたが、情報が多くてまとめるのが大変でした。私の主観が入っていたりもしますので、あくまで、個人の見解であることを最後にお伝えして、今回の投稿とさせていただきます。最後まで、読んで下さりありがとうございました。
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