JICA海外協力隊の世界日記

Petit à petit(ぷてぃたぷてぃ)ベナン協力隊記

託児所立ち上げ(前編)


今回は、託児所をどのように立ち上げたのか紹介します。以前の投稿で説明した通り、配属先からの要望の一つに、「フォワイエ ファム」と呼ばれる施設の活性化があり、これを達成するための活動を行なっています。その一環で託児所立ち上げに取り組みました。全体としては、次のような流れです。



  1. 現状把握(〜配属2ヶ月半)

  2. 計画発表(〜配属4ヶ月半)

  3. 告知・準備(〜配属5ヶ月半)

  4. 託児所立ち上げ(〜配属6ヶ月)


この記事では上記のうち、現状把握から計画発表までについて説明させていただきます。

1.現状把握

・もともとあった託児所が、2016年8月以降、ずっと運営されていませんでした。
・女性グループのリーダー選挙や託児所費用が負担になるというのが主な理由でした。
・幼児を持つ母親を対象に、ニーズや託児所利用料についてアンケート調査を行いました。

最初の2ヶ月は本当に何もすることができず、ただただ漁港に通うだけの日々でしたが、なんとか同僚に助けてもらいながらアンケート調査実施まで漕ぎ着けることができました。その結果、回答者全員が託児所を必要としていることがわかりました。この結果を仲買人組合の幹部に報告し、託児所再開の協力を要請しました。この時、ようやく活動対象である女性グループと接点を持つことができ、「リーダーに話を上げておくわね」と返事をもらえたので、初めて手応えを感じていました。

2.計画発表

・アンケート結果をもとに提案書を作成しました。
・女性グループの幹部会で計画を伝える機会を頂くことができました。
・女性グループの幹部以外のメンバーも集め、同僚と計画を発表しました。

しかしながら、それから幹部の方が動くことはありませんでした。結局、自分でリーダーに託児所の重要性を訴えに行きました。ところが、普段はにこやかな組合長も、託児所の話になると人が変わったように無視されてしまいます。諦めず毎日訴え続けて、A4用紙9枚貼り合わせた概要書を目の前で広げ、往来の多い漁港の真ん中でプレゼンしたりしました。その結果、険しい表情で無視していたリーダーが、ふっと微笑んで(自分にはそのように見えました)、「来週の幹部会で皆に話してみなさい」と言いました。隊員は、任国に派遣されてから半年後に「活動計画」を策定し、事務所に報告しなければならないのですが、今回はその報告会を活用して漁港全体に、自分の計画を周知することができました。

現状把握〜計画発表におけるプチアドバイス

<ポシショニング>

配属当初、私が意識したのは「ポジショニング」でした。私というヨソ者が、皆にとってどのような立場をとるべきかを考え、毎朝1時間挨拶回りをして情報収集と信頼関係の構築を図りました。自分の場合は前任者がいたので、同じような活動をすることを期待する人が少なくありませんでした。しかし私は、前任の方とは経験も得意分野も異なります。現地の人の言うことをそのまま受け取るのではなく、漁港に本当に必要なものを自分の目と足を使って調べました。その中から、「自分にできること、自分がやりたいこと」を選択し、優先順位を付け、それに集中することを心がけました。

次回、託児所立ち上げ(後編)を投稿予定です。

お楽しみに!

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