2025/01/17 Fri
生活
#29 日本車
しばらく前の日記でも触れましたが、タンザニアに初めて来た時に驚いたのは、日本の乗用車やマイクロバスがたくさん走っていることです。街中で見る車の8割くらいは日本車な気がします。でも多くはひと昔前の、しかも日本で使用された中古車です。そのためタクシーなどに乗ると、古いナビが発する「ETCカードが挿入されていません」の日本語を聞くことがあります。私が日本人だと分かると、「この音はどうやったら消せるんだ」とか「言語設定を日本語から英語にしてほしい」とか依頼されることもあります。そしてナビを見るとずっと海の上を走っています。また、ボロボロになっても走っている車を見ると、「車は走れればいいんだよな」とふと原点に立ち返っている時もたまにあります。
道端で話す際に日本から来たと言うと、まず一言目には日本車の耐久性をほめてくれる人が多いです。日本車に詳しい人が多く、中には私の知らない車種を知っている人もちらほらいました。Uberなどの配車アプリのタクシードライバーに人気があるのはトヨタのIST(=イスト)。こちらではアルファベットそのままでアイエスティーと呼ばれています。
そんなたくさんの中古車に混じって、日本で買えば500万円はくだらないだろうと思われるピカピカでいかついSUVもよく見かけます。その格差には少し違和感を覚えます。中でもよく見かけるのはトヨタのランドクルーザー。政府系の人々が乗る車もこれが多いと言われています。悪路が多いタンザニアでは、オフロード車はとても重宝されます。私もここに住んでデコボコ道をさんざん経験したので、買いたくなる気持ちがとてもよくわかります。
でも末端の現場で働く大衆の人々にとっては、政府を批判する恰好の材料になります。彼らが政府を批判する時に、「政府にお金はある。ただ、現場に回ってこない。そのかわりに彼らはランドクルーザーを買う」といった感じの皮肉を聞いたのも一度や二度ではありません。
商店街に行けば、車のパーツがたくさん並んでいるエリアがあります。日本のような大きなカー用品店はあまり見られませんが、中古エンジンの店、タイヤの店、内装品の店、サスペンションの店などのように、小さなお店がそれぞれの特定の商品を取り扱っています。日本のように、ディーラーなどで定期的にメンテナンスをしてもらうお金もないので、例えば車のライトが切れたら自分で商店街で買ってきて交換したり、できることは自分たちでやっている印象を受けます。
私も日本に帰って車を持ったら、できるだけのことは自分でやるように心がけようと思いました。
ではまた次回。
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