JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

キャリアガイダンスワークショップ

5月31日、NEAと3つの職業訓練校のスタッフたちによるキャリアガイダンス

ワークショップが行われました。カンボジアでは、学校教育機関を含め学生たちへの就職支援システムは確立されていません。最近では、労働市場が大きくなるにつれ、さまざまな職種が生まれています。しかし、就職先を見つけるのは、学生たちの責任であり、教育機関は教育の与えるところであり、卒業後の進路に関しては、関知しないという風潮が長く続いてきました。そのため、2010年にNEAが設立されて以来、キャリアガイダンスを高校や大学で行ってきたのは、NEAであり、大きな業務活動の柱の一つであります。インターネットを通して就職情報を収集できても、社会に出たことがない学生たちが自分が望む職業を手に入れることは難しいのが現実です。就職、進路支援をNEAの責任として行っていますが、ひとつの機関が担うには重すぎる責務だと思います。

キャリアガイダンスに関しては、やはりそれぞれの教育機関で行うのがより効果的であり、きめの細かい就職支援サービスができると考えるようになってきました。当日は、3つの職業訓練校の就職支援サービスの現状が発表されました。就職率は平均90%を超える数字が並べられました。カンボジアの労働市場は、求職者数より求人者数が大きく上回る売り手市場です。問題点もあります。若者の仕事定着率が低いのです。ひとつの仕事を長く続ける意識はなく、すぐに別の仕事先を探して移って行きます。ワークショップを開催した目的のひとつがキャリアガイダンスを通して、ひとつの仕事に定着することのメリットを伝え、自分の人生設計をしっかりと描くことで得られる幸福感や充実感の重要性を学ぶことにあります。参加した職業訓練校の先生やスタッフたちがこのことを理解することで、学生たちにフィードバックし、正しい就職観を身につけ、社会に出て、その一員として貢献できれば、

より質の高い労働市場が生まれると思います。

 1日だけのワークショップではすべてを理解することができませんが、理解への第一歩として貴重な体験になったと思います。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ