JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

ある日突然

NEAの建物は3階建てです。私のオフィスは1階の左端にあります。すぐ隣には2階に上がる階段があります。ある朝、出勤した私の目に飛び込んできたのは、階段をぐるりと囲んだ鉄格子です。扉には指紋認証探知器が取り付けられ、関係者以外は立ち入ることができなくなりました。こうなった原因は、NEAの建物の横にある健康診断を受ける建物があり、毎日健康診断を受けに大勢の人がNEAの前を通り抜けます。1階には左右に男性用、女性用トイレがあります。以前はそれほどでもなかったのですが、トイレを利用する人が増えてきました。1階のトイレだけの利用であればよかったのですが、2階のトイレまで無断で利用する人たちが増えました。2階にはNEAの部署が4つあります。さらに職員の休憩するテラスには、テーブルと椅子が置かれています。どうやら、無断侵入者たちがトイレを利用した後、テラス休憩所を利用するらしいのです。さすがに事務室内に入り込む人はいませんが、鍵をかけず、出入りが自由です。安全面を考えた結果、1階の階段部分に鉄格子を作り、扉に指紋認証探知器を設置したということらしい。

雨季の晴れ間

カンボジアの雨季もそろそろ終盤になりつつある。幸いなことに、日本とは違い、1日中降り続くことはめったにない。それでも、旅行をするには適さない季節である。久しぶりに、海辺の町、シアヌークビルに出かけた。いつも利用するバス会社のバスに乗る。朝8時にプノンペンを出発。今回は2時間20分で休憩所に到着する。休憩所は最近できたばかりの洋風カフェ&ビストロである。店の名前は『ストップ』。黒と赤を基調とする内装で、落ち着いた雰囲気をかもし出している。旅行客のほとんどが外国人である。それまでの休憩所は、地元カンボジア人相手の店ばかりであった。トイレもきれいとは言えず、しかしそこしかないので利用せざるを得ない。食べたいものもなく、トイレを利用した後は、外で時間まで待つ以外なかった。それが今年に入り、外国人相手の新しいお店ができた。それが『ストップ』である。値段はコーヒー12.5ドルと高いのだが、外で暑い思いをしながら待つよりは、ましである。20分の休憩後、バスはシアヌークビルに向かって出発。そこから2時間でゴールデンライオン像近くのバス停留所の着く。迎えのトゥクトゥクに乗ること10分、定宿のゲストハウスに着く。ドイツ人夫婦の温かい出迎えを受ける。まだ30代カップルだが、ゲストへのおもてなしは素晴しい。私たち夫婦が泊る宿を決める条件として、こじんまりとしている、建物がシックである、ロケーションがいい、オーナーのしつけが行き届いている、掃除が行き届き、ごみひとつ落ちていない、そして、何よりも食事が美味しい、がある。このゲストハウスの目の前がビーチである。毎朝、従業員が、砂浜を掃き、ごみひとつ落ちていない。朝食を済ませ、ビーチに出て、日陰のベンチで横になり、遠浅の海を眺め、潮の匂いと風にあたり、波の打ち寄せる音を聞いているだけで、心が落ち着く。遠浅の海の向こうに真っ白な雲の塊の合間に広がる青い空。最高の休日である。

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