JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

水祭り休暇をコンポットで過ごす

11月12日から3日間、フランス統治時代の建物が数多く残るコンポットで過ごした。水祭りでは、プノンペン市内を流れるトンレサップ川で行われるボートレース見学に国内から大勢の人々が訪れる。プノンペンに通じるそれぞれの国道は混雑が予想された。その代わり地方に向かう道路は空いているだろうと予想し、コンポット行きを決めた。当日朝8時に出発したバスは、順調に進むはずであった。しかし、予想に反して、いつもであれば30分でプノンペン市内を通り抜けられるのに、1時間以上かかってしまった。原因は、水祭りを利用して地方で休暇を楽しむ人たちが増えたことである。それまでは、水祭りは最大級のお祭りであり、このお祭りをカンボジア国民は楽しみにしていた。その傾向が、経済状態が良くなるにつれ、変化してきたように思える。国内・海外旅行に出かける人たちが増えてきている。コンポットまであと1時間の距離まで、ようやく近づいたが、運転手がこの先は渋滞が予想されるので、わき道を通りますとアナウンス。進んだ道が土ぼこりが舞うでこぼこ道。田んぼを通り、小さな農村をいくつも通り抜けて行く。途中、ぬかるみに遭遇、危うく立ち往生しそうになる。進むこと1時間、ようやく渋滞の道を避け、幹線道路に戻ることができた。そこから再び1時間走り、ようやくコンポットに到着した。いつもであれば3時間のバス旅行が5時間かかった。

川沿いの定宿に入り、シャワーを浴び、着替えてから昼食を食べに出かける。当てにしてイタリアンレストランは閉まっていた。それではと手打ちラーメン店に行く。このお店、前回来たときは、がらがらに空いていたのに、今日は大勢のお客さんがいる。川沿いの遊歩道にはプノンペンナンバーをつけた乗用車が乗り上げ駐車して歩きにくいことこの上ない。いつも外国人旅行者が多いお店にもカンボジア人が食べに来ていた。川沿いは外国人旅行者相手のお店が多く、あまりカンボジア人旅行者の姿を見ることはない。午後5時になると蛍を見に行くクルーズ船があるが、そこにも大勢のカンボジア人が乗船している。カンボジア人の旅行スタイルが変わりつつあることを実感する。私たちは、周囲の変化に係わることなく、いつものお店で食事をとり、オールドマーケット周辺を散策し、喫茶店に入り、涼しい川風にあたり、のんびりとした時間を過ごす。夕方の遊歩道の散歩では、地元の人たちのそれぞれの過ごし方を観察し、早朝の散歩では、すがすがしい空気を味わいながら、川面を走る漁船を眺める。コンポットはリフレッシュできる場所である。

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