JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

新しいカンボジア女性の姿

私にはカウンターパートが4名(女性2人、男性2人)います。写真左側がモリカさん、右側がバットニーさんです。モリカさんは、大学卒業後フランスに3年間留学し、人材と雇用学の修士号を持つ。バットニーさんも2年間のフランス留学で、労働法学の修士号を持つ。それぞれ帰国後にNEAに就職。モリカさんは2013年の12月から、バットニーさんは2015年の5月からNEAに勤務している。モニカさんは2度、

日本での研修経験を持つ。彼女の日本に対する印象は、安全、丁寧、親切、尊重しあう、近代的、高いビル、ごみが落ちていない等々である。バットニーさんは去年始めて日本に研修に行った。彼女の印象は、人も交通量も多い、美しい、丁寧、時間に正確、落ち着いた雰囲気等々を挙げた。

NEAで働いていることに関しては、他の公共機関とは違い、仕事熱心、時間を守る、夜遅くまで働く、チームワークを守る。チームワークに関しては、普段から、ちょっとしたことを一緒に行う習慣づけをしている。例えば、定期的にスタッフ全員で建物の内、外の清掃をしたり、毎週火曜日と木曜日は午後4時30分からエクササイズタイムで、ジョギングをする。みんなで何かをするというアイデアはNEAのボスであるホン・チユン氏によるもの。日本への留学経験と生活を通して学んだという。

彼女たち2人とも、平日は、仕事が終わると、友人と会ったり、家でインターネットをして過ごす。週末は、部屋の掃除、買い物の手伝いが終わると、友人たちとのおしゃべりが楽しいという。モリカさんは今、水泳を習っていて、それが趣味だという。バットニーさんの趣味は旅行。しかし、仕事がたまってくると、土曜日出勤するのだというが、その表情からは、いやいや仕事をするというより、当然でしょうという印象を受ける。高学歴で自立した彼女たちが、新しいカンボジア女性の姿です。

元留学生との出会い

知人を通してソワナ君に会ったのは、去年の10月。九州大学への留学経験がある。

現在は、日系商社プノンペン支社に勤務。カンボジア元日本留学生協会の事務局長をしている。彼と話をしているときに感じるのは、生きる真剣さ、働く真剣さが伝わってくることである。物事を考える視野の広さ、深さがある。日本の異文化体験が培ったのだと思う。だからこそ、日本企業のカンボジア人労働者への対処法に疑問を持つ。カンボジア人の仕事に対する精神構造をしっかりと理解していないと言う。給料の高い会社ばかり追い求める。だから職種に関係なく働き先を変えていく。定着しない。会社への忠誠心がない等々、を日本企業の人たちから聞く機会が多いと言う。カンボジア人のメンタリティをもう少し理解できたら、良質な人間関係が構築できるのに、現在の状況は残念なことです、と言う。日系企業の人材採用担当者を集めたセミナー『カンボジア人労働者のメンタリティを理解する』を企画したいと考えている。私自身、日系企業訪問をして感じるのは、採用されたカンボジア人スタッフ(日本留学の経験を持つ)のおとなしさ、従順性、裏返せば、日本人に扱いやすい人材を採用しているように思う。

最後にソワナ君が言った言葉が印象に残った。今ほど、さまざまな職種が存在したことはなかった。若者たちが目移りしてしまうのは仕方がないこと。いろいろな職種を経験し、自分を高めたいと考えている。少しでもいいから、責任感を持たせて仕事させると、カンボジア人はとてもよく働きます。

私のカウンターパートであるモリカさん、バットニーさん、そしてソワナ君。新しいタイプの若者たちとの出会いに感謝。

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