2019/12/17 Tue
文化 生活
ニコラス・タンコ・アルメロとコロンビアの図書館
以前コロンビアの日系人について調べていた時に、ニコラス・タンコ・アルメロという人を知りました。彼は明治初期に日本を訪れ、『私の最後の旅行の思い出・日本』という旅行記を1888年に出版しています。明治初期の外国人による旅行記としてはイサベラ・バードの『日本奥地紀行』を知っていましたが、同じ1878年にコロンビア人も来日していたとは、驚いたとともに旅行記の内容を知ってみたいと非常に興味を持ちました。
早速鉱山センターの図書室にお願いして、ニコラスについて調査してもらったところ、ボゴタのルイス・アンヘル・アランゴ図書館に原物があるとのことでした。
ボゴタへ行った際に同図書館を訪れ、受付で尋ねてみたところ、『10分後に閲覧室でお待ちください』と言われ、ついに現物と対面することができました。しかし貸出・コピーは許可されておらず、また電子版でも保管されていませんでした。写真撮影は可とのことでしたが300ページもの撮影はさすがに断念せざるを得ませんでした。
ボゴタにはもう一つコロンビア国立図書館という大きな図書館があり、そこで蔵書について尋ねたところ、幸運なことにここでは電子データ化されており、インターネットで誰でも閲覧できるようになっていました。早速ダウンロードしてみると、130年前のスペイン語でも現在と大きな文法の違いも無いことがわかり、辞書を引き引き読み始めることにしました。
全24章のうちまだ2章目にとりかかったところですが、これまでに分かったこととしては、当時すでに『パシフィック・メイル』という太平洋航路の蒸気船があり、彼はサンフランシスコを出発して20日後に横浜に上陸したということ、また、横浜の人口は7万人で4000人もの外国人(半数が中国人)が住んでいたということには驚かされました。日本の歴史や地理、教育、女性、習慣、京都・大坂への旅行などの章があり、文明開化の頃の日本の様子や著者の感じたことなどが書かれているようなので、楽しみながら読み進めていきたいと思っています。
今回はニコラス・タンコ・アルメロとコロンビアの図書館についてのご紹介でした。
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