JICA海外協力隊の世界日記

特派員はやじいのバヌアツ通信

ポートヴィラの魚事情

最初にお詫びがてら訂正させていただきます。前号の「オニテナガエビ二世誕生報告」の中で、成熟親エビをBlood Stockと書きましたが、Blood Stockは純血種を意味し、種親となる成熟親エビをBrood Stockと呼びます。さて本題に戻ると、バヌアツには魚市場は存在せず、魚を手に入たければ、1)大きな街の野菜売り場前の路上でコンテナに詰めて行商している個人売買の魚を購入するか、2)大手スーパーマーケット店内でのショーウインドーに並べられた魚を選択して購入するしかありません。サント島のルーガンビルでの行商の魚売りについては、射場隊員によって報告(バヌアツの食文化1)済みですので、ここでは筆者が赴任している首都ポートヴィラでの魚事情について報告します。写真1はポートヴィラの街の中央野菜市場(セントラルマーケット)の横で、魚を入れたコンテナを並べている行商人さん達のスナップです。これらのコンテナの中には、簡単に種類別、大きさ別に種分けされた魚たちが少量の氷と一緒に詰め込まれています。

コンテナの中に詰められた魚の一例を示したのが写真2です。ここにはバヌアツで代表的な大衆魚であるマングルー(メアジの仲間)やハタ類、小型のフエダイ類等が混在して詰めてあり、各々量り売りされています。例えばこの写真の魚は一律500-600VT/kg(1kg 500-600円)で売られています。保存用の少量の氷が気になりますが、朝早く買って冷蔵し、その日の内に料理して食べれば問題はありません。

一方ポートヴィラで唯一の大手スーパーマッケットであるAu Bon Marche店内では、ショーウインドーに魚を並べ同様に量り売りをしています(写真3)。但し、このショーウインドーに並べられている魚は中・大型の中・高級魚が多く、この写真の奥に示されるハマダイ等のフエダイ類は丸一匹1,800VT/kgと高価な値がついています。更に南米チリあたりからの高級輸入魚である養殖ギンザケ等は、ほぼ5,000VT/kgと、目玉が飛び出るような値段で売られており、我々ボランティアの身としては、とても買って食べようという勇気が湧きません。勿論、大衆魚のマングルー等も並んでいるのですが、これとて街の行商の売値より2-3割増しの700VT/kgの値がついています。他方、ハタ類等は比較的リ-ズナブルな値(900VT/kg)で売られていますが、真っ赤な肌色のバラハタ等はシガテラ中毒の典型魚として知られており、シガテラ毒が怖くてとても買って食べられません。6月に任国外旅行でサモアを訪れる機会に恵まれましたが、首都のアピアには立派な公営魚市場があり、イワシ類の小魚からマグロ類の大型魚に至るまでありとあらゆる魚が売られていました。ポリネシアンに比べメラネシアンは魚族民でない故なのか、バヌアツにはこのような公営の魚市場がないことが残念でなりません。魚好きな私にとっては、早急な魚市場の建設を望むところです。

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