2020/04/27 Mon
作業療法 子ども 文化 活動 社会参加 福祉 障がい
#6 Woodlawn school
2019.12.9
私の任地マンデビルにある特別支援学校、Woodlawn schoolに行ったときのことです。
Woodlawn schoolはマンデビルからルートタクシーで5分ほどのところにありました。
配属先CBRJのタクシー乗り場とは向かいのタクシー乗り場でGeorges Valley行きのタクシーに乗ります。同僚に「バリーって聞いたらいいよ」と教えてもらいました。
短期隊員の現職教員の方と同僚のPCインストラクターと一緒に行きました。
朝早めについたのですが、子どもたちはろうかで立ち話をして、比較的大人しく過ごすことができていました。これだけ見ても私の配属先の多動な傾向のある子たちと様子が異なります。中には日本人の私たちに興味を持って話しかけに来てくれたのですが、年齢は答えることが難しい子、少し一方的に話してくるなという子はいましたがとても礼儀正しいです。
短期隊員の方が校長先生からにインタビューされているのを聞いて、私もわからないところを質問させてもらいました。
主な得られた情報は以下。
・生徒数:92名、8クラス
・先生8名、 teacher’s aide 8名
・主に身辺自立をしている子を受け入れている。首都のJAID(ジャマイカ知的障害者協会)の本部でアセスメントをして受け入れの可否を決める。
・授業はカリキュラムを元に実施。JAIDが出している。
カリキュラム、コーピングスキルを高めるためのガイド、教育省が出しているカリキュラムをもとに授業が組みたてられる。教育省のカリキュラムは一般の小学校1年生に上がるまでに必要なスキルを身につけるためのものと1年生以上は一般の学校で使用するものを使用している。卒業するまでのここでの教育の目標としては、セルフケアができること、読み書き計算ができること、生活能力や就労するための能力を身につけることなど。授業の内容は生徒の能力に合わせてレベルアップする。
・時間割は30分1コマ。普通学校と同じくlunchとbreak以外に休み時間はなし。
・卒業後の進路はHeart trustなどの職業訓練校を利用する子もいるそうだが、詳しいことは把握していない。
・授業の中では子どもたちの生活能力や就労能力を上げるためにAgricultureなどの授業にも力を入れている。担当の教員がおり、食用の鶏やウサギの飼育小屋、野菜作りをする畑があり、収穫したキャベツやインゲン豆などはこの学校の収入向上にも役立てている。
そのあと授業を見学させてもらいました。クラスは年齢で分かれていて、だいたい2学年で1クラス、1クラスにつき先生は1人、そのアシスタントのteacher’s aideが一人。Teacher’s aideは教員の資格を持たず、直接授業は行わないのですが、研修を受けたクラスの授業補助をする役割の人です。教科によっては1クラスを二つに分けて課題を分けていました。ほとんどの生徒がみな落ち着いて座って授業を受け、理解にやや差があるものの同じ課題を一斉にすることができていました。観察からですが、知的障害の生徒が大半な印象で、なかには自閉傾向のある生徒が数名、車いすを使用している脳性まひらしき生徒も少数いました。先生によっては授業や生徒の関わりをとても工夫されていて、自閉傾向があり、刺激を求めてうろうろしてしまいがちな子に絵カードを使って座るよう指示をしたり、手に取った小物をそのまま使わせたりと、その子に負担のないように、かつ教室で過ごせる工夫をしていました。また授業内では実際の身長や絵を視覚的に見せることで「大きい」と「小さい」の違いの理解を促していました。
感想としては、子どもたちの能力レベルが比較的高いことに驚きました。少人数制であることもあり、比較的先生は授業がコントロールしやすいだろうなと思いました。それに比較して、配属先にいる比較的重度な子どもたちはやはりここでは受け入れてもらえず、普通学校で受け入れてもらうにはさらに難しく、重度な子どもたちへの教育や支援はやはり不足しているのではないかと思いました。また配属先の中でも簡単な会話ができ、少しの間座ることのできる子はこちらのほうが生活能力向上のためにもよいかもしれないなと思いました。だんだんとジャマイカの学校の様子がわかってきました。
写真2枚目:1,2年生のクラスの時間割
写真3枚目:5,6年生のクラスの黒板。使用されていた絵カード。
SHARE