2023/08/23 Wed
文化 生活 観光
# 20 ビゼルト旅行 -景観について-
7月の熱波から一転、
最近任地では比較的
涼しくて過ごしやすい
天気が続いています。
。
ただ相変わらず
雨が降らないため、
いつも配属先の庭で
水やりをしているのですが、
先日、オリーブの実が
沢山なっていることに
気が付きました。
。
去年は9月末に収穫して
塩漬けにしたものを
みんなで食べましたが、
今年も、私が任地を離れる
10月上旬までに
収穫ができることを
密かな楽しみにしています。
。
さて今回は、
先日他の隊員たちと行った
旅行について振り返りたい
と思います。
8月上旬、
チュニジア北部に位置する
ビゼルトという港町へ
2泊3日の旅行に行きました。
.
1日目は首都チュニスから
バスでビゼルトまで移動し、
少し疲れた私たちは
ホテルでゆっくりと過ごしました。
そしてメインの2日目、
午前中ホテルのプールで泳いだ後,
お腹を空かせた私たちは
美味しい魚料理を求めて
港へと向かいました。
.
ホテルから15分程歩くと、
ある短い橋に辿り着き、
海上にいくつもの船が
停まっているのが見えました。
.
橋のすぐ手前に建つ
立派な要塞が気になりながらも
すぐ側の階段を降りていくと、
海に面した石畳の道が続いており、
向こう岸には古いモスクと
モダンな色合いの家々が
見えました。
.
チュニジア独特の、
鮮やかな青を基調とした
綺麗な街並みを楽しみながら
一通り写真撮影を済ませると、
次は地元の人や観光客で栄える
中心地まで進んでいき、
ローカルなレストランの
テラス席へ吸い込まれるように
入りました。
.
みんな揃って頼んだ
「今日のお魚」ランチには
メインの焼き魚はもちろん、
様々な伝統料理が
含まれていました。
.
お腹を満たした私達は
可愛い野良猫を目で追いかけつつ
のんびりと散策をしました。
.
決して観光地化されている
とは言えませんが、
伝統的な建築や人々の温かさ、
鮮やかな色に包まれた街全体に
居心地の良さを感じました。
今回の旅行の中で
目にした美しい景色から、
以前読んだ本の中にあった
「建物の外観は公共財」
という言葉を思い出しました。
.
この本を通して訴えられていたのは、
街の景観を構成する各建造物が
「伝統様式と最新の技術」の融合
「自然と人々の生活」の調和
と共にデザインされることで、
街全体がより魅力的になるという、
筆者の経験に基づく考えですが、
今回の旅行を通して
改めて理解できたような
気がしました。
.
また彼によると、
日本では戦後の目まぐるしい
経済成長と引き換えに、
そのような景観や
それを守ろうとする
人々の「公共の精神」
が失われているのではないか
と問題提起されています。
.
私は、
チュニジアの今後の成長を
応援する一方で、その街並みが
画一的なビルの連続へと
移り変わることなく、
地域の特徴があふれる現在の姿が
今後も続いてほしいと思います。
SHARE