JICA海外協力隊の世界日記

北(アフリカ)の国から ~遥かなる地中海より~

#4 私の活動- 持続可能な開発のための教育(ESD)

こんにちは。

日本ではここ数日で一段と

寒さが増しているようですが、

私の任地ではまだ

日中はパーカーでも十分過ごせます。

この投稿の執筆日は1225日ですが、

イスラム教徒が多数を占めるこの国でも

それっぽい装飾や子供の恰好を目にし、

この国の、あらゆる宗教・文化への

寛容性を感じています。

さて、

今回も前回に引き続き

私の活動計画をご紹介します。

今回のテーマは

「持続可能な開発のための教育

(Education for Sustainable Developement : ESD)

です。


この概念は、

学習者が世界における

今日的課題を主体的に捉え、

問題の解決につながる

価値観や行動を身につけ、

「持続可能な社会の創り手」

となることを目指して行う

学習・教育活動を指します。

具体的には、

持続可能な社会づくりを構成する、

6つの視点」(多様性や連携性等)

を軸にして現在の課題を見出し、

その中で、

「批判的に考える力」や
「つながりを尊重する態度」を含む

7つの態度、能力の醸成を目指します。

私は教育に関して

知識や経験が全くなかったのですが、

このテーマに関する本を

日本で手に入れ、一から学び、

その内容を自分なりに咀嚼しながら

適宜活動の企画に取り入れたり、

配属先に共有したりしています。

私の配属先は教育機関ではなく

市民環境団体なので、

活動としてできることは

限られていると思いますが、

それでも教育の分野において

自分たちの果たしうる役割や

様々な連携の可能性があると思います。

ESDの考え方や実践例を

任地でも取り入れ、根付かせられるよう

日々、プロジェクトの企画や活動に

取り組んでいます。

私が最近読み始めた、

フェルナン・ブローデル氏の

『地中海』という本の中に

こんな記述がありました。

「歴史学の任務のひとつとは

現在のさまざまな不安な問題に

答えを出すこと、

かなり未熟ではあるけれども

極めて帝国主義的な人間諸科学との

連携を保つことでもある。」

フェルナン・ブローデル (1999)『地中海』(浜名優美訳) 藤原書店。

私はこの中に、

ESDに必要とされる視点や姿勢との

強い関連性を感じました。

現在、気候変動危機や各地での武力衝突、

世界的なコロナ感染の拡大等、

現代社会に複数の不安要素が存在する中で

将来世代の豊かな生活を保障するには、

歴史を学ぶ中で

世代間という縦の「つながり」、

また分野の枠を超えた横の「つながり」

を意識しながら

諸問題を自分事として捉え、

他者と協働して乗り越えることが大切であり、

またそのような社会の担い手を創る

教育が重要であることを

改めて感じました。

それではよいお年を。

Bonne année!!

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