JICA海外協力隊の世界日記

北(アフリカ)の国から ~遥かなる地中海より~

# 11 気候正義って?

いきなりですが、

「気候正義」という言葉を

耳にしたことはあるでしょうか。

簡単に言いますと、、、

地球温暖化は、

主に先進国や新興国による

石油や石炭などの大量消費が

原因であるということが

ほとんど間違いない

とされています。

しかし、

地球温暖化による

異常気象や自然災害で

より大きな被害を受けるのは、

化石燃料をあまり消費していない

途上国の人たちや将来世代です。

こうした、

加害者と被害者の不公平さ

を背景に、気候変動問題はもはや

国際的な人権問題であって、

この不正義を正して気候変動対策に

取り組んでいかなければならない

という認識が「気候正義」です。

チュニジアを含む

中東・北アフリカ地域においては、

他の地域に比べて

砂漠化の影響が最も深刻であり、

水不足や食糧安全保障は

この国における

喫緊の課題といえます。

今回は、そんな気候正義における

現地での経験を紹介したいと思います。

2022年9月、

国際NGOである

Green peace主催の

Climate justice campに参加しました。

任地近くのナブール市に

世界中から多くの

環境活動家が集まる中、

私の配属先もワークショップを

実施しました。

テーマは、

「気候危機における湿地の役割」で、

湿地の多様性やその重要な役割を

紹介した後、各国で発生する

汚染の問題を取り上げ、

大きな原因の一つである

「ガバナンスの欠陥」へと話が移りました。

ベナンやブルキナファソ、南アフリカ等

様々な国から訪れた参加者と共に

各国の状況をシェアしつつ共通の課題を

見出す、非常に貴重な経験でした。

他方、これは私が活動時に

いつも思うことですが、

同イベントの参加者全体に占める

女性の割合が多いように感じました。

実際、

女性は農業に従事し、

家事のために水を運ぶなど、

気候変動の影響を特に受けている一方、

適応における豊富な知恵を持っている

とされています。

彼女たちの声をいかに

政策に反映させるかは、

専門的な報告書の中でも

重要視されています。

2022年、エジプトで開催された

27回気候変動枠組み条約締約国会議

(COP27)では、気候変動の影響に脆弱な

途上国に向けた「損失と損害基金」

の設立が決定しました。

これは、先進国が途上国の立場に立ち、

「気候正義」の重要性が認めた結果

ということができます。

しかしながら、

まだまだ細かい交渉が

残されている他、

温暖化の緩和における努力の

さらなる強化が必要です。

このような意識の下、

私は先進国の一員である

日本人のボランティアとして、

チュニジアのローカルNGOと共に

今後も活動を行っていきます。

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