JICA海外協力隊の世界日記

コーヒーの国 グアテマラから

環境教育授業の導入への取り組み

みなさんこんにちは。

今回は前回お伝えしたディプロマの授与式と関連する環境教育授業の導入への取り組みについてご紹介します。

ディプロマというのは、いわゆる研修修了書のことです。私の任地では昨年、すべての公立小学校の教員に環境教育授業のための講習会を受けてもらいました。

前回、環境省の講習を受け環境教育の授業を教員自身で行うという体制が整ったことをお伝えしました。私たち森林課では、教員に対して授業の教材の提供やサポートを行っていくともお伝えしました。

今回は、その教材の提供の様子や教員自身で環境教育の授業を行うシステムについてご紹介します。

まずは、ある校長に頼まれて作成したカレンダーについてです。ディプロマの授与式の際、1人の校長からこんな意見をいただきました。

「これから私たちはそれぞれで環境教育を行っていくわけだけれども、日々の授業もある中、何もない状態で行うのはなかなか大変なことだと思う。環境教育を行わなければならないという可視化できるようなツールがあると教員にとってよいと思うのだけれど、なにか良い案はない?」という意見でした。

確かに、環境教育はグアテマラにおいて正規の授業ではありませんし、決まったカリキュラムもありません(任地であるサンマテオにおいては、学校において環境教育を行うことは条例で決まってはいますが)。そこで、同僚と相談し、環境教育授業のためのカレンダーを作成することにしました。カレンダーには、どんなテーマで、いつ、どの程度(内容のパーセンテージ)行ったかを記入できるようになっています。初めての試みなのでできるだけ取り組みの経過把握・改善が行えるように、まずは4月のセマナサンタ休暇(イースター休暇)までの約3カ月間のカレンダーを作成しました。

写真は、ある小学校においてカレンダーの使い方を説明しているところです。教員1人に対して1枚あります。カレンダーを作成したのは私ですが、グアテマラ人同士での運営が大切だと思ったので、同僚に説明してもらいました。5つの小学校でこの説明会を行いました。

2枚目の写真は、環境教育のための教材です。スイスのhelvetasというNGOが作成したものです。この教材は、小学校4年生から6年生までの生徒が自分で環境のそれぞれのテーマについて調べたり、考えたり、大人に聞いたりして仕上げる教材となっています。授業のなかで、教員も教材のひとつとして使えるのではないかと考え、使いたいと希望する教員に提供しました。

このように、カレンダーの作成、教材の提供、加えて教員個々の授業準備の相談にも応じるということを森林課として表明し、教員自身による環境教育授業の試験的導入が始まりました。

環境教育授業の責任のほとんどを教員にゆだねるという少し手荒な方法ですが、ディプロマの授与式ではやる気を口にしていた教員たちです。どこまで教員自身が有言実行するかという興味もありました。

失敗覚悟で導入した教員自身による環境教育授業、結果どうなったかはまた後日お伝えしようと思います。

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