JICA海外協力隊の世界日記

人類みなアミーゴダイアリー in BRASIL

海外に出るきっかけをくれた生徒との再会 さわやか No,84

帰国から5ヶ月。

ようやく彼と会うことができました。

彼とは,ブラジルに行く前年に担任したクラスに居てくれたネパールからやって来たGaire Aayushくん。

私はJICAボランティアとして活動する前,大阪府の公立中学校で社会科の教員を4年間していました。

海外へは,大学生時に電車のつり革で見かけたJICAボランティアの募集広告を見たのをきっかけに興味を持ち出したのですが,卒業後はもともと目指していた教師という仕事に。

毎日毎日が楽しく,学校で子どもたちの成長を身近で見ることができる仕事に強いやりがいを感じていたのですが,4年目に心の変化が起こります。

そのきっかけが彼でした。


教師となった4年目。私は念願だったクラスを持たせていただけることになりました。


小学校を卒業したばかりの1年生生徒39人に囲まれた生活が始まりました。そんな生徒のメンバーにいたのがアユス。家族の日本移住と共に,中学校に上がる半年前に日本にやってきました。


半年前にやってきたばかりなので,当時は日本語勉強中。しかしネパールでは,国語(ネパール語)の授業以外はずべて英語で勉強するそう。なので,ネパール語の他に英語を使いこなしていました。なので,私自身英語を話すことができていれば,もっと彼と密なコミュニケーションを取ることはできたのですが,如何せん野球に全てを注ぎ込んできた学生生活だったので,英語の力は全然。


英語の教科担当の先生やクラスの子どもたちに助けてもらいながら,なんとか彼とコミュニケーションを図っていました。

この時に感じた,自分の力のなさ。


時折見せる彼の寂しそうな顔を見た時に,「このままじゃあかん」という気持ちになりました。



今後も,こうして子どもの成長や頑張りを身近で応援できる仕事を続けていきたい。そのためには,外国から日本に来る子どもも今後増えていく社会の中で,このモヤモヤとするポイントは一つでも解消したいと思うようになりました。


外国からやってきて慣れない文化や習慣の中で生活するとはどういうことか。


「何が嬉しいのか」「何が寂しいのか」これは,自分が経験するしか分かることができない。
上部だけでああだこうだ考えるには説得力が全くありません。


そうなったら『自分が外国人となる経験をすればいいのでは』という結論に至りました。


あの日,電車のつり革広告で見たJICAボランティアという形で,現地の人と共に生活をし,あらゆる課題を通して外国籍の子どもの役に立てる経験を積もうというところに。



いつか海外に行きたいと思っていた気持ちは,彼との出会いによってポンと背中を押されることとなったのです。

あれから2年と半年。彼のお父さんが経営するカレー屋さんで再会。

あの頃よりも大きく大人になった彼の姿を見て,少しウルっときてしまいました。


話だすと止まらん止まらん。カレーに手をつけることも忘れて,「最近どう?」「元気にしてた?」「先生はブラジルどうだった?」と。

お互いに『外国人として生まれ育った国以外で生きる』経験をし,あれしてもらえると嬉しいよね。こういう時寂しいよな。と共感しっぱなし!

「ところで,日本語めちゃくちゃ上手になったね!」というと,「ははは!勉強頑張りました。友だちが教えてくれました」と。


彼と一緒に過ごしたのは一年間だけ。その後,2年生・3年生と学年が上がっていく中でもクラスや友だちに恵まれて,今日まで勉強を頑張ることができたと言います。


今では,難関の高校入試も突破し,学年代表で英語のスピーチ大会にも出場したりで毎日が楽しいって!

本当,彼だけじゃありませんが,教師時代に出会った生徒に今でもたくさん刺激をもらってるし,救われてます。

ほんまみんな最高です!

最後に一つだけ質問しました。


「この先どんな将来でありたいの?」

「これから増える日本に住む外国人の役に立ちたい。助けられる人になりたい」

この言葉にしびれた。

アユスならできる!これからもキラキラした毎日を過ごしてください!

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