2018/12/27 Thu
文化 生活
ブラジルのクリスマス事情 さわやかNo.35
【違和感満載!!あっつい暑いクリスマス】
中国の一部の地域で“宗教の中国化”を図るとして,キリスト教を排除する「クリスマス禁止令」が出たと報道されているのを見て,クリスマスについてもいろんな考え方・捉え方があるんやな〜と感じた今日この頃。
今年もやってきました。年末の大イベント クリスマス!!!
♪真っ赤なおっはな〜の〜トナカイさんは〜♪
♪きーよし〜こ〜のよ〜る〜♪
♪マライアキャリーの曲♪
どの曲を耳にしても,頭の中でイメージするのは,寒い冬。
♪暗い夜道は〜ピカピカの〜お前の鼻が役に立つのさ〜♪も
トナカイさん,寒い雪の積もる夜道を一生懸命走ってくれてんのやな〜。と,勝手にそう想像しちゃうのが多くの日本人の感覚。
そらそうですよ。だって,北半球は冬ですもん。
でも,見てください。この上の写真。
違和感アリアリですよね。
親子が,街のセントロ(中心街)の公園に設置されたサンタさんの前で,写真を撮っていたのですが,まぁその姿は半袖・短パン。
サンタさんは,長袖長ズボンのサンタの衣装をきてるけど,親子は半袖・短パン。(何回言うねん笑)
それもそのはず,写真を撮ったこの日は気温36度。
暑いにもほどがある日でした。
南半球に位置するブラジルのクリスマスは夏なんですね〜。
子どもの頃は,教科書に出てくる『サーフィンをするサンタさん』の写真を見て,想像もつかへんな〜。と思ってましたが,ブラジルで生活してると,本当に夏にクリスマスが来ちゃいました。
長く染み付いた感覚は面白いもので,『クリスマス・年末・2019年まであと1週間』と聞いても,全くそんな気がしない。
要は,これまで過ごした8月の感覚になっちゃっています。
【スーパーに山積みのパネトーネってなんだ?】
そんなブラジルのクリスマス。
始まりは10月31日のハロウィンが終わった翌日からが一般的。
昨日までカボチャのランタンが置かれていた,オレンジ色中心のスーパーマーケットも,次の日にはサンタさんが設置され,店内は赤と緑に装飾されます。
『まだ11月やのに,もうですか!』と思わず突っ込んでしまいそうなスーパーの中で,ひときわ目を引くのが上の写真の【Panettone(パネトーネと読みます)】。
スーパー内のどの角を曲がっても,目の前に現れるのはこのパネトーネ。これでもかってほどの量が山積みにされています。
パネトーネは,小麦粉,牛乳,卵をベースに酵母を入れて発酵させたケーキに,干しブドウや果実の砂糖漬けを刻んだものをまぶしたお菓子です。柔らかくて,ほのかにするバニラの香り。
このお菓子には特殊な酵母が使われているらしく,賞味期限は半年も先の日付になっているのです。驚き。
元々は,イタリア・ミラノ発祥のお菓子なのだそうですが,第二次世界大戦後にイタリア人がブラジルへ持ち込んだことで,ブラジル中に広がったんだとか。
名前の由来には様々な説があるのですが,その内の1つをご紹介。
『クリスマス・イブにパンとパイを焼くのに追われていたトニーは、長時間労働で疲労したために、間違えてパンの生地にパイの材料である干しブドウを入れて混ぜてしまいました。何とか、挽回しようとしたトニーは、パイに砂糖漬けの果実とバター、卵などを加えて焼くことにしました。
トニーは、焼きあがったものを恐る恐るシェフに見せると、予想外に美味しく、クリスマス・イブのデザートとして馬鹿売れしました。シェフは、発明者のトニーに敬意を表して、そのお菓子を「トニーのパン(pane di Toni)」と名付けることにしました。』
というようなお話。
そんなこんなで生まれ,ブラジルに渡ってきたパネトーネは,今やブラジルのクリスマスには欠かせない存在。
日本も最近は多く輸入しているそうなので,またチェックしてみてください。(今年はもう終わっちゃったので,来年ですね。KALDIとかに売ってそう!)
【ブラジル家庭のクリスマスパーティー】
そんな日本とは異なるブラジルのクリスマス。
基本的には家族で集まり,チキンの丸焼きやバカリャウ(タラ料理)等の豪華な料理を囲んで,飲んで騒いでとお祝いします。
感じは日本のお正月に親戚で集まるような感覚ですかね。
私も今年のクリスマスは,いつもお世話になっているブラジルのご家族にお誘いをもらい,一緒に楽しい時間を過ごさせていただきました。
24日から25日に変わる0時には,各地からバーン・ドーンと打ち上げ花火でお祝い。
そこからパーティーの熱はさらに盛り上がったのでした。
【他にもおもろいブラジルのクリスマス】
テレビを見ていると,サンパウロ州の各地で『輝け!イルミネーション どのお宅が一番美しい飾り付けをしてるか選手権』なるものも開催されていたみたいで,住人の投票により選ばれた家庭には,見事テレビ局から大きなテレビが贈られていました。
受け取る人たちも,さすがラテンなブラジル人。ダンスをしながら,テレビを運んできたサンタさんにガシッとアブラッソ(ハグ)。およそ2分間は,その映像が流れていました。(お渡し役の男の人は,どデカいテレビを持ったまま,その時間をずっと眺めていました。笑)
【まとめ】
北半球と南半球でこうも違うクリスマスの文化。
気候・食べ物・祝い方それぞれの違いが面白い。
でも,変わらないのはサンタさんの存在と,親愛なる人に贈るプレゼント。
世界中の人々を幸せな気持ちにする,赤白の服を着て,たんまり蓄えた白ひげのおじいさん。
あなたは偉大です。(あ,中国の一部の地域にもちゃんとサンタさんは来たのでしょうか?)
SHARE