JICA海外協力隊の世界日記

人類みなアミーゴダイアリー in BRASIL

アマゾン川の中心で夢見る女の子 さわやか No,36

【今年もブラジルを発信していきます!一発目はアマゾン!】

2019年一発目の記事!!
自身の活動も残すところ,半年となってきました。
半年後にはブラジルを離れているということ,まだ全然実感が湧きません。
おかげさまでこれまで,大きな怪我なく病気なくここまで来ることができているので,残りもこのままの勢いで突っ走っていこうと思います!


そんな今回と先2つの記事では,いただいた長期休暇での出会いの中で体験したこと,考えたことについて。

ブラジルは12月の後半から,1月の後半が大概の地域で夏休みとなります。
家族でビーチへ行ったり,親戚の家に行ったりと過ごし方は様々。

今回はその夏休みを使って,“ブラジルに来たからにはあそこに行っておかないと!”とず〜っと思っていた場所に,ようやく足を踏み入れることができました。

そうです!アマゾン!!

一応私,前職は中学校の社会科教員をしてまして,これまでも“アマゾン”というワードは,私の授業でもたくさん登場してくれていました。

『アマゾンには多種多様の生物が生活しているそう』『ピラニアが釣れたりなんかもするみたいやで』と生徒に伝えてきました。
ただ,本当のところをそれまでは知らないわけで,『しているそう』『そうみたい』『らしい』としか言えませんでした。
しかし今回は現地潜入。アマゾンの実態・アマゾンに暮らす人はどんな生活をしているのか?
その生の教材を手に入れるためでもあり,とてもワクワクしながら潜入。(潜入という言葉がこれほどしっくりきたことないくらい,本当に川,そしてジャングルの中を潜り入る体験となりました)

と,いうことでアマゾンのジャングルに入っていくために,まずはブラジル北部のマナウスへ。そこで,アマゾンのツアーを申し込みました。
野生のピラニア釣り・野生のワニ掴み・ジャングルアドベンチャー・ピンクイルカと友だちに等々,いろんな目白押しポイントが満載のツアーに参加。


さて今回のお話はそんなツアーの中であった,素敵な出会いとその出会いによって考えさせられたお話について


【アマゾンの奥地で働く1人の女の子との出会い】
ツアーの後半。
その日の予定は特にナシ。ハンモックでゆらゆら揺られながらウトウトしていると,
ツアーガイドのPauloが,「暇やし,アマゾン川に浮いてるBARにでも行こか!」と私たちにお誘いを。

全員が思ったことはただ一つ。

『こんなアマゾン川の真ん中に,BARなんかあんの?』ってことです。

コテージの目の前には,これでもかと言わんばかりの森と川。
『BARなんてそんな洒落たの,コテージに着くまでに一切見てないけど』と思いながら,
まぁそこは長年アマゾンガイドをしているパウロ。
きっと素敵なとこに連れて行ってくれるのだろう。とボートへ。

10分ほどボートでぶー〜んと走ってると見えてきたのが,川の上に建つ(いや,浮く)お家
だだっ広い川の眼前に突如現れた,二つ繋がった家。
まぁ見た目は完全にBARではない。

しかし,
それが,こんなにも素敵な場所であるなんて,この頃は誰も知りはしなかった…。

アマゾン川にポツリと立つ(浮く)家。
木で作られたキレイな家の中には,たくさんの食料品や日用品が並ぶ
言わば,アマゾン川水上コンビニ。

そんな川上コンビニを経営しているのは,ここに住む7人家族。
店主はお母さん。アマゾン川に建つ学校で先生をする傍ら,自分で商品を街まで調達しに行っているのだそう。

そんな家族の中で,愛嬌満点で人一倍働く,一人娘のVitória(ビトリア)

お母さんが,「こちらのお客さんにお釣り20レアル持ってきて〜」と言うと,『はーーい♪』と,ルンルンでお釣りを取りに行く。
こんな気持ちよく働くコンビニの店員さんを見たのは初めて!って衝撃を受けるほど。

そんなビトリアはアマゾンで生まれ,アマゾンに住み,アマゾンの学校に通う10歳の女の子

『同学年は7人。全校生徒は24人ぐらいかな〜!学校へは,学校が持つ通学専用のボートで通ってるんだよー♪』といろんなことを教えてくれます。

『えーーーー!!学校にボート??』
アマゾンの暮らしに興味がある私たちは,いろんな話を聞かせてもらいます。
だってなんてったって,この家の横ではピラニア釣りができるんですから!
『おーーーー!!これがアマゾンか!!」と,自分たちの生活にかけ離れた現地の人たちの生活に質問が止まらん止まらん。

そうして話を続けていると,ふと一つのことが気になりました

それは,“アマゾンに住む子どもは,どんな夢を持ってるんやろう?”ということ。


【アマゾン川でどんな夢を抱く?】

もちろん,自分の中で『アマゾン』という固定概念があったから,ジャングルの中で生活する子どもたちって,周りの世界のことを知ってるのだろうか?という疑問があった。

恥ずかしながら,ちゃんとした学校があるなんてのも知らなかった。
そりゃ,アマゾンの中でも子どものため,政府もしっかり動いてるよね。固定概念に反省。
と,そのような固定概念を持っていたが故,とても気になり質問しました。

『将来の夢は?』

すると,彼女は少しの間も見せることなく,

「私,裁判官になりたいの。」と。

『なぜ?』と聞くと,

「みんなの生活を良くしたいから」と言いました。

立派な夢を持っているビトリア。その答えを聞き,
住む場所は関係ない。アマゾンだろうと,普段の生活の基盤が川にボートだろうと,みんなこの地球の上で同じ平和を願って生きていることは同じ。
そんなことにハッとさせられた瞬間でした。

ただ,住む場所は関係ないと言ってられないのも現状。
ビトリアの夢に対してお母さんはどう思っているのかというと,100%の気持ちで応援できている訳ではなさそう。

「外は危ないことが多いから,本当はずっとここにいてほしい。マナウス(アマゾンに繋がるブラジル北部の主要街)の大学に送るのが恐い。慣れない環境に彼女が適応できるのだろうか。考えるとどんどん不安になるの。でも,彼女の夢応援しないとね。」

昔と比べると,ここ何年かでマナウスの治安はとても悪くなってきているとお母さん。
一人娘だからというのももちろんあるでしょう。

アマゾンの中で生活するからこそ出てくる“悩み”と“葛藤”

そんなお母さんの話とその表情を見ていると,言葉ではうまく表せませんが,『なぜ自分は日本で生まれて,彼女たち家族はこのアマゾンの奥地で生まれたのだろうか?』と,考えても答えが出てこなさそうなそんな問いがグルグルと頭の中を駆け巡りました。

彼女の将来はどんな色をしているのだろうか?
“夢”“将来”“なりたいもの”とは?
“自分の置かれた場所”はどうなのか?

気がつけば,果てしなく大きいアマゾン川を眺めながら,そんなことをボーーっと考えていました。


お話の後は,アマゾン川を泳ぎ,家の隣でピラニア釣りをさせてもらい,家族全員でダンスを踊り,幸せな最高の時間を過ごしました。

アマゾンに住む素敵な家族。そして素敵な少女との出会い。

生きてて良かった!!

なぜだかわからん。でもこれを強く思った出来事でした。

またいつかアマゾンに戻ってきて,あのコンビニに買い物とピラニア釣りをしに行こう。

Boa sorte Vitória!!!!!

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