2018/12/26 Wed
文化 生活
壁はキャンバス 才能を発揮する場所 さわやかNo.34
今年度の野球の活動が終わり,周りは夏休みモード。
私も休暇をいただき,『野球・野球・野球』の生活から少し離れ,ゆったりとした生活を送っています。
いつもは野球の話ばかりなので,休み中はブラジルの日常をお届けするとします!
今回は,【日本じゃありえない,ブラジルの壁事情】。
ある日曜日の午後,ゆっくりと空気の流れる街を歩いていたんですね〜。
特に何かを意識するわけでもなく,「あっついな〜」と思いながらゆっくりと。
そしたら,ある角を曲がったところで黒く塗られた壁が出現!!
そこにずらっと並ぶ若者たち。
近付くと色とりどりのスプレーを手に,壁にシューっと絵を描いています。
しかも,よく見るとなかなかのハイクオリティー。
すごい才能やなと何分かその光景に見とれていました。
実はブラジルはこうして,建物の壁に絵を描いていることが非常に多い。
都会のサンパウロなんかに行くと,ほとんどの建物の壁が,こうした絵でギッシリ埋め尽くされてるんです。
あんなデッカいビルの壁にどうやって描いたんやと思うものもゴロゴロ。
しかもそのどれもが,落書きと呼んでいいのか?と思うほどのクオリティー。(まぁ中には落書きと呼ぶに等しいひっどいものもありますが…笑)
まぁ何はともあれ,日本ではなかなか出会わない光景ですよね。
さて,先ほどの私の街の話に戻りましょう。
突然ですが,質問です。
この若者が並んで,アートを描いているこの壁。
一体,なんの建物の壁なのか?分かりますか?
みなさん予想してください。
正解を知った時,“日本じゃありえない!”ときっと驚くことになりますよ〜。
さぁ,準備はいいですか。答えです!
そう!!驚くことに,
学校なんです!!!
公立学校の壁。なんなら正門の両サイド!!!
日本じゃありませんよね。
もうこんなことに出くわしたものなら,すぐに通報,職員室では職員会議が始まっちゃいますよ!笑
「学校の壁・正門に落書きしている奴がいるぞ〜!!」ってね。
でも,こうして嬉しそうな顔で取材しているおじさんがいるあたり,特に問題はなさそうです。
壁をよく見ていくと,ワンブロックごとに名前が書かれていました。
おそらく担当する人の名前でしょう。
面白い。日本にもたま〜に公共の建物の壁に絵が描かれていますが,それは果たして公の前で描いたのか?それとも,街が寝静まった夜中にササッと描いたものなのか?
どちらにせよ,ここブラジルでは,日曜日のお昼間にドーンと描いているのですから,それはもはや壁ではなくキャンバスです。
“自分の才能を惜しみなく発揮する場所 壁”
そこの違いはなんなのでしょうね??
簡単に答えが見つからないことが面白い。
この学校が廃校になり,また別の建物に建て替えられるまでは一生ここに,この人の作品は残っていくことでしょう。
また今日も,人々に何かを訴えるアートが生まれています。
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