JICA海外協力隊の世界日記

人類みなアミーゴダイアリー in BRASIL

一年の集大成!いざ最後の大会!!さわやかNo.32

最後の大会が無事に終わりました。
9人ピッタリで始まったこのチーム。
お金が集まらずに大会に参加することができなかったり,一緒に指導してくれていたコーチが急にロンドンに引っ越ししちゃったり,チームの内部で嫌〜な問題が起こったり,新しいメンバーが入部してくれたり,地元開催の大会で優勝したり。色々思い返すと,この一年間いろんなことが起こりました。

これまで積み上げてきた事がどのような形となって表れたのか?
最後は有終の美で終わることができたのか?


最後の一週間を振り返ってみましょう!!

【11/04(日)最後の大会まで残り6日】
振り返れば,この一年間を通して,日曜日に練習をしたのはこの日だけ。
日曜日は,家族との時間というのがブラジルでは一般的で,お出かけをしたり,家の庭でシュハスコ(ブラジリアンバーベキュー)をしたり。

去年はどのカテゴリーも日曜日に練習をしていましたが,結局は家族との時間を取る選手が大半で,大勢が日曜日の練習は欠席。選手が揃わずロクな練習ができていない状況に,「もし来年度,チームを持たせてもらう事ができたなら,日曜日の練習はやめよう」と決めていました。
もちろん練習すればするほど,上手になるためのヒントを見つける時間は増えますが,子どもの頃の家族との時間は唯一この時期だけ。
どちらが大切か。今の私の考えは,100% 家族との時間を存分に取ることです。

前置きが長くなってしまいましたが,そんなこんなで,これまで日曜日の練習はなかったのですが,この日は選手からの要望で「練習がしたいので,日曜日もやりましょう」と。
「なんなら合宿をしたい。朝から晩までガッツリ練習がしたい」とお願いしてきました。

その気持ちに,『やろう!!』と即決。

私自身も,このチームで行う練習が大好きなので,『ええやん!やろやー!』と,お母さん方に『すいませんが,簡単な夜ご飯と翌日の朝ごはんの準備をお願いします』と頭を下げました。
親指を立てて「任しとき〜」とお母さん方。
本当にありがたい話。

土曜日から二日間行った今回の合宿の最後には,1つ上のカテゴリーに手伝ってもらって,練習試合をしました。

様々な大会で常にタイトルを持って帰ってくるような,最後の調整の機会にはもってこいの絶好のチーム。
終盤はボッコボコにされましたが,序盤はしっかりとした野球ができ,良い調整ができました。

練習の後は,グラウンドに併設されているプールでクールダウンをしながら,選手の家族が集まって夜までお肉を食べながらワイワイ楽しく,ブラジルの日曜日らしい日曜日を過ごしました。

【11/06(火)最後の大会まで残り4日】
この日個人練習を頼んできたのは,3人の選手。
これまでも個人練習はしてきたのですが,主に技術アップの時間に割いてきました。
個人個人の持つ課題は違うので,それに合わせた指導をこの個人練習の時間にやってきたのですが,大会まで一週間を切った今週は,いかに良いイメージを掴んで大会に臨むことができるかに重きを置きました。

『気持ちよくかっ飛ばしてみ!』というと,3人とも全員,

“ボッカーーーン!!”
“ドッカーーーン!!”
“スッコーーーン!!”

と,このカテゴリーのグラウンド規約を大きく上回る打球を連発。
『おーーー!すごい仕上がりになってるぞ!』と言うと,
“へっへー♪”と可愛らしい笑顔で微笑む子どもたち。

子どもたちは夢中になってバットを振り,1時間半を予定していた練習時間を大きく上回り,練習に打ち込みました。

【11/07(水)最後の大会まで残り3日】
今日は大会までにできる最後の全体練習
なんや知らんけど,ニコニコしながらグラウンドに入ってくる選手。
理由はわからない。でも,とにかく最後は楽しくやろうや!という,気持ちが内面からガンガン出てくるのがわかりました

この日の練習メニューは,子どもたちが決めたもの。
私自身やりたいメニュー,試合前にやっておくべきメニューの案はありましたが,“子どもたちは何を考えているか?”が知りたくなり,今まで通り,任してみることにしました。
私が事前に考えていた内容に近いものになり,“今自分たちには何が必要か”それがチームで共通して理解できているその感覚がとても心地よく,嬉しい気持ちになりました。

一年間の間で最も2時間半の練習時間が短く感じた日。手応え十分でその日を終えることができました。

【11/08(木)最後の大会まで残り2日】
朝からWhatsAppが止まらない
練習日ではない木曜日なのですが,最終調整のため,個人練習を頼んでくる子どもたち
ブラジルの学校は,午前に中学校に行く子,午後から学校に行く子と分かれているため,個人練習の時間もまちまち。
学校に行く前にグラウンドに来る子もいれば,学校の後にグラウンドに来る子も。結果この日は12時間グラウンドにいました。

練習後,『今日いくら放ったんやろう?』と思い,数えてみることにしました。
『80球入ったカゴを,トータル1,2,3...10回か。ってことは...』
バッティングピッチャーとして,投げた数は約800球。

今年の夏の甲子園で騒がれた吉田輝星くんの夏の甲子園での投球は合計880球。
『うわ!惜っしい!後ひとケースやん』と訳の分からない気持ちに。
150km近い投球を880球と,90kmほどの投球800球を一緒にしたらアカン。すみませんでした。

正直疲れました。でも,心は充実。
やることは全部やった。あとはなんとかなるわー!行ったれー!
もうそれだけ。
とにかく,練習後に食べたゲートボール場横,おじさんたちの毎週木曜シュハスコの集いで食べたお肉がすんごく美味しかった。


【11/09(金)最後の大会まで残り1日】
大会前日は移動日。
朝の9時にグラウンドを出発し,大会の会場であるプレジデンチプルデンチへ。
なんでもブラジルは言葉にできないほど,大きな国。
1つの大会に参加しようと思えば,長距離移動は当たり前なのです。(まだ私たちは恵まれている方。同じブラジルで活動するチームの中には,丸一日かけて会場まで移動するチームもあるんです)

私の街からプレジデンチプルデンチまでは約450km。バス移動でいうと休憩含めて8時間程度。まだ近い方で良かった。(この感覚がすでにおかしいですね。笑 日本で8時間バス乗るで〜言われると,『え!めっちゃ遠いやん!何持っていこ。トイレ大丈夫かな?』と心配せずにはいられない距離なのですが,ブラジルの生活が一年を越えると,この距離は近く感じる。環境に適応するってすごいことですね。)

さて,夜の22時。ホテルの一室に呼び出されました。
渋いおじさんたちがずらっと並び,記者会見でも始まるんか?というような雰囲気。
そうです。翌日から始まる大会の抽選会
前から二列目の席に座ってると,ブラジル野球連盟の一番お偉いさんに,「おれの前が空いてるやないか。ここに座ると優勝できるよ」と。

間髪入れず,席を移動しました。
やれることは全部やって,大勝負に挑むタイプ。
ここでもそんなん言われたら,移動するやん。

抽選の結果は面白いゾーンに見事入ることができ,試合に対するモチベーションも上がりました。

帰りを待っててくれた父兄のみなさんと,BARで少し話をして,大笑いしてお休みなさい。


自分で言うのもなんやけど,結構感動しぃ。
ドラマや映画で泣くってことは,あまりないんやけど,生身の人間とのやり取りの間では,涙腺緩みます。
“最後”とかそう言うワードにはまぁ弱い。

ただ,今回は泣かないだろうなと自信が。

いよいよ一年の成長を見せる発表会。
結果はいかに!!!

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