JICA海外協力隊の世界日記

Abaibai! ケニアぽれぽ~れ日記

農家の生活をより良くするために(Alphajiri Ltd.の取組み)



ジャンボー!!(公用語のスワヒリ語で「こんにちは!」)
ケニアで活動中の伊治です。


先日、ケニア国内で事業を展開するAlphajiri Ltd.のMigori officeを訪問してきました!
大変勉強になることばかりでしたので、ぜひ皆さんにもシェアしたいと思いこの記事を書きました。



Alphajiri Ltd.は、Migori county内で小規模農家を対象にしたサービス提供やナイロビで食品販売店を展開する会社です。
会社HP : https://www.alphajiri-greengrocer.com

創業者は元ケニア隊員の薬師川智子さん。任期終了後にケニアに戻り、2016年にAlphajiri Ltd.を創業されました。

今回Migoriを訪問したのは、加工品作りの見学と、事業が農家さんに対してどうインパクトを与えているのか知りたかったからです。



Alphajiri Ltd.の特徴は、ビジネスを通して社会課題にアプローチする「ソーシャルビジネス」であること。具体的には、Migori countyの契約農家さんから栽培作物(大豆、ナッツ、はちみつ、アボカドなど)を適正価格で買い取り、それら作物を原料にした味噌やピーナッツバターなどの加工品を製造・販売しています。

miso (2).jpg(Alphajiri Ltd.で販売している商品の数々)


ケニア含め途上国の小規模農家は、栽培作物を卸しても仲介業者に安く買い叩かれたり、販売先のマーケットが見つからない等の課題を抱えており貧困サイクルから抜け出せずにいます。

そこでAlphajiri Ltd.が適正価格で買い取ることにより、収入が増え、生活の質向上にも繋がります。味噌などの加工品を製造することで現地の雇用創出の可能性も広がります

アボカドの契約農家さんを訪問させてもらいましたが、「子どもの学費を払えるようになった」等の確実にインパクトを与えている嬉しい声が聞けました。

現在、Migori officeにいるのはケニア人スタッフのみ。現地語しか話せない小規模農家も多く、現地スタッフが活躍しています。ちなみにオフィスは味噌のいい匂いが香っていて日本が恋しくなりました…!

IMG20240108130519.jpg(味噌に使う「米こうじ」を作るため、日本米を選別するケニア人スタッフ)


今後のビジョンは、契約農家へのリターンと契約農家数を増やすこと。そのためにナイロビでの食品販売の売上を伸ばすことが直近の目標です。


miso.jpg(完成した赤味噌!!)



熱意のある小規模農家であっても、貧困のサイクルから抜け出せず、きっかけを掴めずにいる農家は大勢います。支援してもらうのをただ待つのではなく、ソーシャルビジネスを通して途上国の小規模農家自らが生活をより良くしていけるきっかけを提供することは、貧困を減らす一つの方法です。

いかにニーズ見極め、地域に根ざした地道な取り組みを行っていくか。そして、その取り組みがやがて大きなインパクトを与え、人々の意識や生活の質に変化をもたらしていく…。Alphajiri Ltd.の事業には貧困の根本にアプローチする仕組みがあると感じました。

隊員として任地で見たこと、聞いたこともすべてトータルして、農家にとって必要なサポートや理想のサイクルを再認識する訪問になりました。Alphajiri Ltd.の皆さん、お忙しい中ありがとうございました!!



今回の投稿はここまで。
それでは、また。
コンゴイ!(現地語キプシギス語で「ありがとう!」)



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