JICA海外協力隊の世界日記

Abaibai! ケニアぽれぽ~れ日記

持続可能な農業をめざして(NGO HANDSの活動)




ジャンボー!!(公用語のスワヒリ語で「こんにちは!」)

ケニアで活動中の伊治です。

今回は、任地ケリチョを活動事業地にしているNGO HANDSさんの活動について書きます。
先日、業務に同行し研修の様子を見学させてもらいました。



まずはNGO HANDSさんの紹介から。

HANDSは、「どんな場所でも、誰であっても、健康で幸せに暮らすことができる社会をめざす」という理念のもと2000年に設立されました。ケニアでは保健医療分野の他にも、幼児栄養改善、生物多様性など事業分野は多岐にわたります。事業地はケリチョ・カウンティ-ですが、特に生活水準が低いとされている地域を中心に活動されています。

ケニアの他には、現在はシエラレオネ、そしてこれまでにはパプアニューギニアなども活動事業地でした。

HANDSが大切にしていることは、「主役は現地住民」という考え方。ケニアでは地域レベルで住民の健康問題に取り組んでおり、保健ボランティア(以下、CHV)が中心となって住民への健康指導や持続可能な農業・栄養指導を推進しています。HANDSはCHVを対象に研修を実施し、彼らが地域住民に対して指導する体制を構築しています。

特定非営利活動法人 HANDSのHPはこちら
https://www.hands.or.jp/



私が見学したこの研修は、JICA草の根技術協力プロジェクト。

プロジェクト名は「地域に開かれた幼稚園:ケニア共和国ケリチョー郡の幼児の栄養改善に向けて」。
実施期間は202212月~20266月の約3年半です。

2017年からHANDSが支援を継続している幼稚園を中心とした地域ぐるみのマルチセクターによる幼児の栄養改善事業に加え、新たに幼稚園就園前の23歳児の親子教室を幼稚園の敷地で開催するという試みです。

HANDSが着目したのが、2歳前に予防接種を終えると保健施設から足が遠のいてしまい、その結果、成長や発達をモニターする機会が減ってしまうこと。

この場を利用して保護者向けに健康教育や情報提供の場も設けることで、いずれは幼稚園の地域貢献事業として位置づけられ継続されることを目指しています。



今回の研修テーマは「Agrinutrition Training(農業栄養の基礎)第4回目」。

対象者は研修地域のCHV20名ほどに加え、幼稚園の運営委員と父母代表。

研修場所は幼稚園が併設されている小学校の教室を借りて実施されました。

研修目的は、①苗床(seed bed)の環境の整え方 ②苗木の選び方 です。農業局オフィサーとHANDSスタッフによる講義のあと、参加者が開墾した幼稚園のモデル家庭菜園で実践指導をしました。



午前中の講義では、①苗床の場所の選び方  ②必要な道具  ③苗床をつくる前準備  ④苗床のメンテナンスの仕方 ⑤植え替えの仕方 を中心に学びました。

講義の進め方は、まずCHVに質問を投げかけ、その回答に対して解説を加えていくスタイルです。普段から農業をしている彼らは基本的な知識は持っていますが、そこに+αの知識を加え体系化していきます。

(農業局オフィサーによる講義)


例えば植え替えの仕方。理想の横・縦・深さの長さをレクチャーし、定規がない中で手を使っておおよその長さを測る方法など、多くの人が忘れている土着の方法の正確さを皆で証明しました。

また、その地域に適した作物一覧も解説していました(ケリチョ・カウンティ-内でも標高が異なるため地域によって育つ作物が全く異なります)。

(測定の仕方を参加者同士で考える時間)


午後はさっそく実践に移ります。苗床作りとパッションフルーツ、ツリートマト、パパイヤの苗木植え。

午前中の講義で習ったことを思い出しながら参加者同士で協力して測定から始めていきます。

普段から農作業をしている彼らにとってはお手の物。ですがこの畑は斜面になっているため土を掘り起こすのは一苦労だったようです。無事に苗床と植え替えが完了し、保護のため枯草を上にかぶせ、水をたっぷり与えました。



4.jpg

(苗床づくり)

5.jpg
(苗床が完成しました!)


そして研修の最後には次回までの活動計画を参加者同士で話し合います。

次回のHANDSの訪問までに、ケール、ビーツの種まき、パパイヤなどのフルーツの苗木植え、さらにそれらの写真を撮ってくるという計画を立てました。彼らはこの研修で得た知識を地域住民たちにも情報共有し指導していきます。


6.jpg(研修の最後には次回までの計画を立てます)



このように定期的にHANDSさんの研修を見学させてもらっています!

私は普段から農家さんと共に活動することが多いため、どのようにレクチャーすれば現地住民に受け入れられやすいのかを学ぶ絶好の機会となっています。また帰国後の進路を考える上で、NGOが現地コミュニティとどう関係性を構築してるのか知る貴重な機会です。



この研修で特に印象的だったのは、HANDSが地域コミュニティを巻き込み、CHVが主体となる研修を実施していたことです。

指導者が一方的に指導することはできますが、それでは本来の意味で知識が身についたとは言えません。ケニア人同士で互いに教え合い、知識を共有し合う体制が自然と成り立っていることに感動しました。

これを私の活動に落とし込むのは少々ハードルが高いですが、例えば加工品の試作を実施する際には、私がファシリテーターとなり、主体はケニア人という理想のレクチャーのしかたができたらと思いました。

持続可能な活動にしていくには、現地住民の主体性が必要不可欠ですね。HANDSさんの研修を見学し、改めて現地住民のコミュニティを巻き込んでいく大切さを学びました。




今回の日記はここまで。

それでは、また。

コンゴイ!(現地語キプシギス語で「ありがとう!」)



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