2020/03/12 Thu
人 文化 活動 生活
任地の主食"カオニャオ"と糖尿病


サワディーカー
タイはもう連日最高気温が30℃…いや、私の地方は35℃をこえて、すっかり夏になりました。
最低気温も20℃を下回ることがなくなり、朝から暑い日が続いています。
任期も残り1年をきり、2年目になった今年から地域の診療所で行われている糖尿病クリニックに同行させてもらっています。
元々、昨年から病院内の糖尿病の外来での栄養相談には同行していて、タイ(特に私の地方)の糖尿病の現状をみてきました。
通常、糖尿病の値は採血をして血糖値とHbA1c(ヘモグロビンA1c)という検査項目を測定します。
この値が、私の地方では、日本では入院していてもおかしくない数値の患者さんがたくさんいます。
こんなにも血糖値が上がる一つの理由に、任地の主食が関係しています。


任地の主食はもち米です。
タイの中でも、私の任地の東北部とチェンマイなどのある北部の主食はもち米です。
しかし、日本のようにもち米を蒸した後、お餅を作るわけではありません。
蒸したもち米をそのまま食べるのです。
作り方はいたってシンプル。
まずは洗ったもち米を約2時間、水に浸します。
その後、水をきり、1枚目の写真のように鍋にお湯をはり、その上に水をきったもち米をカゴに入れ、蓋をして、約30分ほど蒸します。
蒸しあがったら、2枚目の写真のように、水分をとばしながら、少しもち米を捏ねていきます。
(写真では、蒸すときに使用したカゴのまま水分をとばしていますが、量が多い場合は、大きな竹で編まれた平らなお盆に広げて捏ねていくこともあります。)


ある程度水分が無くなり、粗熱が取れたら、ガティッ(プ)と言われるカオニャオを入れる容器で保存します。
3枚目の写真の容器がガティッ(プ)です。どれも蓋が付いていて、持ち運ぶことができます。
写真では大きさがわかりにくいので、おおよその大きさを説明します。
一番左は屋台で売っている袋入りのカオニャオ(を模して作りました)。
左から2番目が、握り拳が1つ入るくらいのガティッ(プ)。一番小さなものです。
右から2番目が、握り拳が2つ入るくらいのガティッ(プ)。
そして一番右が、握り拳が3〜4つくらい入るガティッ(プ)で、この大きさは主に家族全員で食べる用に使用されています。
任地の人たちは、保存も持ち運びも便利なこのガティッ(プ)にカオニャオを入れて、仕事場に持って行ったりしています。(ちなみに、食べ方はそのまま手で一口大に丸めておかずと一緒に食べます。)
今回は、それぞれの容器にカオニャオがどのくらいの量が入るのかを計量しました。
実際に職場でも街中でもよくみかけていたのですが、一体どのくらい入るのだろうと気になっていたからです。
しかし、このカオニャオ。
白米(炊いたお米)に比べると、血糖値がとっても上がりやすいうえ、とってもカロリーが高いのです!!!
具体的な例をあげると、3枚目の一番小さなガティッ(プ)の量のカオニャオ、つまり握り拳1つ分くらいを食べると、普通のお茶碗に山盛りのご飯を食べているのと同じくらいになってしますのです…。
私の任地の人達は「(写真の)2番目に大きいガティッ(プ)くらいは、1食で食べちゃうよ!」と言っています。と、いうことは1食に山盛りごはん2杯分くらいは食べているということに…。
任地の糖尿病の検査の数値が入院するくらいに高い理由が、わかったような気がします。
ここから先、どのように糖尿病の病状を改善していくような取り組みをしていくのか。
大きな課題になりそうです。
では、また!
SHARE