JICA海外協力隊の世界日記

Malo!~常夏の楽園サモア日記~

オープンセミナー

現在サモアでは、北海道教育大学と連携して、JICA草の根技術協力事業「初等理数科教育における問題解決型授業の展開」が行われています。このプロジェクトは、サモアの理数科の教育の質を向上させるため、北海道教育大学が3年間サモアへ定期的に専門家を派遣し、研究授業や公開授業を実施し、サモアの教員が問題解決型授業を実践できるようになることを目指しています。(JICA北海道HPより)

http://www.jica.go.jp/sapporo/topics/2014/ku57pq00000dqqvk.html

そして先日、今年度最後のオープンセミナーが行われました。今回は先生方対象に、体験型の講義形式。算数では「問題解決型学習の進め方」について、理科では「音」の学習についての講義でした。

まずは算数。教えるということは「Teaching」することと、子どもたちに「Thinking」させることの二種類あるということを、実際に先生方が子どもになったつもりで体験してみることで感じてもらうという内容でした。前半は「紙テープを真ん中で1回折ってはさみで切ったら何枚に分かれるか。」という発問からスタートしました。答えは3枚。じゃあ2回折ったら??と少しずつ複雑になるので、図を描いて考えることになりました。先生方の中でも色んな図があり、答えにもばらつきが。そういうときに「答えがあっていなくても、なぜそう考えたのか子どもたちに尋ねてみることが大切」だと。回数が多くなると図だけじゃ答えが分からないので、実際に紙を折って切ってみて答えを確かめました。そうして答えから規則性を見つけ出し、次の答えを予想する。自分も楽しみながら参加することができました。

後半は「あまりのあるわり算」について。3つ入り100円のおまんじゅうをおまんじゅう15個分買うと代金はいくらになるかという問題。答えは500円。しかし495円、もしくは510円と考えた子どもがいて、一体どういう道筋でその答えにたどり着いたのかをみんなで考えてみました。100÷3=33…1で、おまんじゅう1個当たり33円だと計算した場合と、あまりを足して34円だと計算した場合です。ここからあまりについてどう指導すればよいのかということをみんなで考えていきました。

こうした活動を通して、答えという「結果」だけを評価するのではなく、子どもたちがどう考えたのかという「過程」をしっかりと見て、褒めてあげる、認めてあげること。そして子どもたちがどんな考えをするのか予め予想を立て授業準備をしておくことが「Thinking」、即ち考えさせる授業ではとても大切だということを学びました。

次は理科。サモアでは3年生の理科の中で「音」について学習します。その「音」の学習で使えそうな教材をグラスやストローを使って作りました。水を入れたワイングラスの淵を指でなぞって音をだしたり、ストローの口を三角形に切って吸って鳴らす笛を作ってみたり、ストローを既定の長さに切って繋げてハーモニカを作ってみたり、糸電話を体験してみたり。どの教材でも「振動」を通して音が伝わっているということを目で見て確かめることができます。先生方は出来上がった教材を鳴らすのがとても楽しいようで、その姿はまるで子どものようでした。きっと子どもたちと一緒に作ったら、子どもたちも楽しみながら学習できるだろうなあ。

最後は全員で記念撮影をし、お昼ご飯を食べて終了しました。前回のセミナーもそうでしたが、サモアの先生方だけでなく我々隊員も参加させていただけ、多くのことを教えていただけとてもありがたく思っています。セミナーで学んだことは、今度は先生方や子どもたちに伝えていきたいと思います。

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