JICA海外協力隊の世界日記

Hanoi ほっとNEWS★

ベトナム人の若きパワー炸裂!

先月、中国を会場に行われた、サッカーの祭典、AFC U23 選手権2018。
残念ながら、日本は早々に敗退してしまいましたが、
そこで歴史的快挙を成し遂げたのが、ベトナムです。

1月23日(火)夕方、配属先で活動中に、
同僚がおもむろにテレビのチャンネルを切り替え、
サッカー中継を映し出しました。
そこでは、カタールを相手に、決勝進出をかけた戦いが繰り広げられていました。
この日はどこの会社も仕事を切り上げ、サッカー観戦。
ゴールを決めるごとに、家々からは歓声があがり、
まさにベトナム中がテレビに釘付けになっていたようです。

実はベトナム、国技はサッカーといってもいいほど、
大のサッカー好き。テレビではよくサッカー中継をしています。
そのサッカーで、ベトナム代表が初の頂点まであと少し、
のところまで来ているのだから、国全体が興奮しているのです。

接戦の中、PKを制したのは、ベトナム。
決勝進出を決めました。

同僚達と抱き合って喜びました。
試合に感動した私はすっかりベトナムファン。
同試合で2ゴールを決めた若きヒーロー、クアン・ハイ君のファンに。
(完全にミーハーです)

同僚に、決勝戦はいつなの?と聞くと、
「知らないよ!そんなの関係ない!今が大事よ!」
とまさかの返事。
今を生きる、まさにベトナム人らしい答えでした。
日本なら、勝ち上がるトーナメントを見ながら次の相手を予想し、
そのチームがどんなチームかまで研究しているでしょう・・・。

その夜、たまたま夕食の約束をしていたので近所を歩いていると、
町中がベトナムの国旗で真っ赤に染まっていました!
ベトナム代表の勝利を祝うベトナム人がバイクに乗って国旗をかかげ、
人々と喜びを分かち合っていたのです。
すれ違う見知らぬ人とハイタッチ!
その光景を目にした私は、
ベトナムは情熱に溢れ、愛国心に満ちた素晴らしい国だなと、
改めて思いました。


そして迎えた1月27日(土)、決勝戦。
相手は、日本、韓国を負かしてきた、ウズベキスタンです。
中国には多くのサポーターがかけつけ、
在ベトナム中国大使館がビザの発給を急いだほど。

その日、私は伝統楽器のレッスンがあったため、
先生に、
「今日はサッカーあるよね?試合を観戦したいから早く帰りたいんだけど・・・」
と申し出ると、
「あたりまえでしょ!サッカー観戦しなきゃ!先生も見たいから、早く終りましょう!」
と、なんともノリのいい返事。
ベトナム人と心が通ったなぁと思った瞬間でした(笑)。

帰り道、カフェやレストラン、電気屋さんのモニターで、
テレビをくらいつくように見るベトナム人の姿がありました。

タクシードライバーに、
「あなたは観戦しないの?」と聞くと、
「もちろんするよ!君を送り届けたあと、カフェで見るよ!
 1人でみてもつまらないからね!」との返事。
みんなで一緒に見るのが、ベトナムルールなようです。

準決勝同様、試合後の興奮状態の群集を懸念し、
大使館やJICA事務所から注意喚起がでていたため、
私は近所の隊員宅で観戦しました。
ハチマキにベトナム国旗デザインのTシャツで準備万端。

寒気の影響で、降りしきる雪の中での試合でした。
ベトナムは北部の一部地域でしか雪が降らず、
雪なんて見たことがない!という人も多数います。
そんな不利な?状況の中、
ベトナム勢は試合開始数分後に先制点を浴びせられたものの、
またもクアン・ハイ君の活躍で同点に追いつきます。

固唾を飲んで見守る中、
延長後半残り1分のところで、ウズベキスタンの華麗なゴールが入り、
ベトナムはあえなく敗退・・・。

あまりにもショックで、一気に気が抜けてしまい、
そのまま突っ伏して寝てしまいました(笑)。
私、いつからこんなサッカーファンだったけな・・・。

その夜、準決勝戦とは打って変わって、
近所の通りもシーンと静まり返っていました。
(中心地では騒いでいたようですが)

しかし、そんな悲しみはどこ吹く風!
ベトナムは準優勝という快挙を成し遂げたのです。

翌日は、選手らが空路でハノイに到着し、
ノイバイ空港から市内の首相官邸まで凱旋パレードをすることになり、
沿道には大勢の市民が詰め掛けました。

私も通りの近くで食事をしていたので、少し眺めてみることに。
いやしかし、予定の時間を1時間、2時間過ぎても、待てど暮らせど、やってきません。

それもそのはず。
沿道に詰め掛けたのは、なんと数千人!!!!
空港からおよそ30キロにわたり、人々が道路を埋め尽くしたため、
選手を乗せた車両は全く進めなかったのです。
結局、私達は諦めて帰りましたが、
選手ご一行は予定より3時間遅れでベトナム首相と会見したそうです。

ベトナムのヒーローとなった若き選手たちは、
その後、メディアに引っ張りだこ!
私の配属先のチャンネルにもゲスト出演していました。
まだまだ、彼らの人気ぶりは収まりそうにありません。

ベトナム代表が東京オリンピックに出場できるのも
夢ではないようです。日本で見るのを楽しみにしています。

長々と熱く語りましたが、
この試合を通して、ベトナム人と一喜一憂し、
心を一つにできて、私自身、とても嬉しかったです。

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