JICA海外協力隊の世界日記

井上幸一のクルシェヒル滞在日記

「カマン」にcome on、新SV!

観光振興だ開発だと大見得切っても、時間的な制約もある中で日本からの旅行者の方々が無名のクルシェヒルにそう簡単に足を延ばしてもらえるほど甘くはありませんので、まずは身近な方々からクルシェヒルを知ってもらうことが肝要と捉え活動しています。そんな訳で、先月初め新たに着任された5名のシニア・ボランテイの皆さんにJICA事務所で開催された活動報告会席上でクルシェヒルをPRしたところ、研修で忙しい中27()8()の週末を利用してクルシェヒルとヒッタイト帝国の遺跡ハットゥシャを訪ねるプランを立ててご来訪いただききました。さて、クルシェヒル観光の目玉と言えば、何と言ってもカマン郡チャウルカン町にある「カマン・カレホユック遺跡」であります。故三笠宮寛仁殿下とも大変所縁の深いこの遺跡は日本のアナトリア考古学研究所の大村幸弘先生指導のもと約30年にわたり発掘が続けられており、考古学上数々の大変重要な発見がなされています。※冬期は発掘作業は休止となります。

発掘現場のすぐ近くには遺跡からの貴重な出土品が地元で保存できるよう、2010年に日本の無償資金協力で遺跡を模したユニークなデザインの「カマン・カレホユック考古学博物館」が建設され(1枚目の写真)、世界史の現場に立つ臨場感を高めます。という訳で、大村先生の顰蹙を買いそうな今回のタイトルになった次第です。残念ながら大村先生達は研究報告会のため日本にご帰国中で直接説明を得ることは出来ませんでしたが博物館の考古学職員MrASIMに館内を案内してもらいました(撮り手が下手なため、館内の状況を上手にお見せできなくてすみません)。2枚目の写真は館内に設置してある「カマン・カレホユック遺跡」の模型です。ハンドル操作で遺跡全体のイメージを把握したり、発掘層を年代順に確認したりできます。現在はビュクリュカレ、ヤッスホユックの遺跡も発掘中でこれらの3遺跡が点在する国道260号線は遺跡街道とも言うべきルートになっています。

この丘状の博物館のすぐ隣には、日本の桜が植えられ、錦鯉が泳ぐ緑豊かで広大な日本庭園「三笠宮記念公園」が広がっており、ピクニックや結婚式など様々なセレモニーにも利用されてクルシェヒルの人々の憩いの場となっています。緑の少ない雄大なアナトリア高原の中のオアシスといった趣で、春の桜の頃や、秋の紅葉の季節には日本的な風情を楽しめます。今回は花咲く候にはあまりに早く、素晴らしさをお伝えできないのが残念です。これらカマン・カレホユック遺跡と博物館等の紹介だけでも優にブログ3回分はあるのですが、まずはほんの触りだけご紹介させていただきました。クルシェヒル市内の紹介は次回以降に譲ります。なお、今週から一時帰国するため次回は3月下旬を予定しております。

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