JICA海外協力隊の世界日記

井上幸一のクルシェヒル滞在日記

再びのイスタンブール!

1月は二度もイスタンブールに縁がありました。今回は22()25()4日間、TUYAP EXHIBITION CENTERで開催されたトルコ最大の旅行博「EMITT(East Mediterranean International Tourisum and Travel Exhibition)」のクルシェヒル県市合同出展チームに随行することになりました。このイベントは来場者数13万人以上 (主催者発表前回数値) を集める一大イベントとのことです。当然、クルシェヒルの観光宣伝を大いに期待できると踏んで21日早朝7時に集合場所の市庁舎前に馳せ参じました。チーム総勢16名は車2台に分乗、私も早々に市のミニバスに乗り込み、イスタンブールに向けていざ出陣!です。霧のアナトリア高原を駆け抜け10時間かけて目指す会場に到着。県市合同でそれなりに経費も掛けているやに漏れ聞いていましたので勇んでブースに向かいました。ブースは案外広く、全体をクルシェヒルのシンボル史跡「ジャジャベイ・メドレッセ」を模した外観で囲って、壁の内外にはクルシェヒルの観光名所の写真がふんだんに貼ってあります。ブースの中はソファの応接セットと小ぶりの丸テーブルと椅子4脚のセットが6つ配置された誠にシンプルな作りです。他の県や市ではかなり凝った仕様のブースも多く、気合が入っているのが見て取れますが、シンプル イズ ベストとも言いますし、要は外観より中身ですから。

さて、EMITTが始まって判ったことは、日本のこの種のイベントとはかなり意味合いが違うことです。各自治体とも知事や市長等要職のお歴々が連日来場しソファーに陣取りますと、その地出身のイスタンブール在住の有力者や年配者の面々が引っ切り無しに訪ねて来て、チャイとスイーッやスナックをつまみながら歓談したり写真やビデオを撮ったりと、こちらで言う所の「プロトコル」が終日続くことです。そして、各ブースとも地元の伝統音楽の生演奏がガンガン流れ(日本では考えられないデシベルですよ)、踊りの輪で盛り上がります。もちろん、クルシェヒルも同様の「プロトコル」の連日でしたが、さすがに吟遊詩人の故郷と言われるだけに、クルシェヒル・マスター舞踊楽団選抜メンバーによる伝統音楽の唄と演奏のライブは他を圧倒した感がありました。つまり、EMITTにおける自治体の出展の主目的は、県や市が各種案内や地元の産物を用意して“皆さんの故郷は元気で頑張っていますよとイスタンブール在住の地元出身者への報告を兼ねた一年ぶりの交歓の場であり、お祭りであるということです。日本ですと我が街の売り込みに知事や市長による「top sales」が積極展開される訳ですが、私も始まるまではそんな展開を期待していたのですが何だか調子抜けの感がありました。

音楽や踊りに併せて各種食品や織物・雑貨、工芸品類の店々も所狭しと品物を拡げ、まるで全国故郷芸能物産展”の感もありました。しかし、所変わればなんとやら”で、如何にもお祭り好きのトルコ人らしくてこれはこれで良いのかもと納得した次第です。但し、EMITT主催者の名誉のために言っておきますが、このようなフェスタ“はあくまでも自治体関係ホールでのことであり、各国の観光局、内外の旅行代理店やホールセラー、ホテルに旅行関連サプライヤーの出展ホールでは大変活発なビジネス交流が展開されていました(特に初めの2日間)。なお、残念ながら今回は日本からは政府観光庁や旅行代理店等の出展が無かったことです(もしかしたら、”人質“事件が影響したのかも)。また、日本との最大の違いは一般来場者の入場料が無料ということです。おそらく、このことが膨大な来場者の主要因だと思われます。所で、残念なことがもう一つ、それは会場が市心から車で1時間以上離れているので暇を見てチョイとイスタン ブラという訳にはいかなかったことです。今回は期間中天気がもってくれて温かいくらいだったので、う~ん、残念!    次回は2月初旬に。

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